2016年からデリバリーを開始するBMW M6や、ランボルギーニ・ウラカンGT3、レクサス・RC-F GT3など、続々と発表されるGT3車両たち。
でも、そもそもGT3って何??
GT3はそもそも、グループGT3というカテゴリーからスタートした。
ということはグループにはGT1、GT2と存在したのだが、この上位カテゴリーが消滅していき、GT3が残ったというもの。
日本国内では一般的に「GT3」、もしくは「FIA GT3」などと呼称されている。
FIA GT3マシンとは、FIA(国際自動車連盟)の公認を受けた車両を指し、FIA(国際自動車連盟)は、各メーカーが製作した車両をテストする。
その結果を踏まえてFIAは車両間の性能差を、「最低重量」「エアリストリクターの径」などを指定することで均一になるよう調整する。
このバランス・オブ・パフォーマンス(BOP)と呼ばれる独自のマシン性能調整システムは、このグループGT3レギュレーションにおける最大の特徴であるが、各社は設計段階からBOPを意識している。
とはいえ、このBOPの存在によって、メーカーが車両開発・製造費を無尽蔵につぎ込むことへの抑止力となり、その結果、車両販売価格を抑えることが可能となるのだ。
なお、このFIA GT3マシンを購入したレーシングチームが、車両へ独自の改造を施すことは許可されていない。
あくまで、販売された状態(公認車両の状態)を保持し、その上でFIAが指定する性能調整への対応を行う必要がある。
この車両への改造を制限することが、なにかと資金がかかるレーシングチームの運営費を抑える上で大きな役目を果たしているのだ。
このような恩恵を受け、エントラントの減少、マシンの高コスト化などの問題に直面していた世界各地のレース運営者が、相次いでグループGT3に基づいて制作されたマシンを導入しており、現在ではFIA GT1世界選手権をはじめとして、ニュルブルクリンク24時間レース、ブランパン耐久シリーズなどで導入が認可されている。
日本では、SUPER GT・GT300クラスとスーパー耐久・ST-GT3クラスにおいてGT3クラス車両の導入が認められている。
↓ 次ページ レギュレーションについて
レギュレーションってどうなってるの?
レギュレーションは基本的にはJAF-GT規格に比べると改造範囲が狭く、エンジンやギヤ比、空力パーツは変更出来ない。
他のクラスと異なる点としては以下のとおり
・材質の制限(チタニウムはオリジナル車両に使用されているもの以外)禁止
・テレメトリー禁止
・運転補助の電子的安定制御システム禁止
・車重制限およびバラスト規定
・ECUへのアクセス保証
・吸気リストリクターの装備
・排気音110dB以下
・燃料補給の規定
・始動装置装備
・灯火類の規定
・ABS機能制限
このように高価な材料や複雑な電子装置を禁止し、車両のコストを制限する規定が中心である。
出力もリストリクターによってイコールコンディションとなるように制限されている。
FIA GTコミッティは、車両同士の性能均衡を保つために個々の車両の重量制限や過給圧を調節する権限を留保している 。
このように、参戦の障壁となる事柄を排除することにより、エントラントに優しい車両、それがGT3の存在意義である。
今後もシリーズは増えていき、日本でもSuper GTを始め、スーパー耐久、レンタル車両で参戦可能なSuper Car Race Seriesなどが存在する。
このようにエントラントにとって魅力的なレーシングマシンがGT3なのである。