トヨタ、夜間の視界確保を支援する次世代照明技術「LEDアレイAHS」を開発

トヨタ自動車、夜間の視界確保を支援する次世代照明技術を開発

-LEDアレイAHS(*1)で、より細やかな配光制御を実現-



トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、LEDの独立制御により従来よりも細やかな配光制御を可能とした次世代照明技術「LEDアレイAHS」を開発。2015年に発売する新型車に採用する。

今回新開発したLEDアレイAHSは、一列に配置した複数のLEDをハイビームの光源に使い、それぞれを独立制御することで、先行車・対向車を眩惑することなく従来型(*2)より広い範囲を照射することが可能。具体的には、先行車と対向車がすれ違う際の両車の間の空間などを照射し、横断歩行者などの発見を支援するほか、市街地では広範囲を照らす配光、高速走行時では遠方に光を集中させる配光など、様々な走行シーンに応じた配光制御を実現している。また、ステアリング操作に連動した配光で、カーブの先を照射して進行方向の視界確保を支援するカーブ時配光機能を装備。LEDアレイAHSはこれらの機能を組み合わせ、夜間走行時の視界確保を支援する。

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日本における2013年の交通事故による死亡者は、4,373人と13年連続の減少となったものの、死亡者数を状態別にみると歩行者が最も多く、その内夜間の事故が全体の約7割(*3)を占めている。トヨタは、LEDアレイAHSなどの次世代照明技術開発のほか、2015年より順次導入される予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」にAHB(*4)を標準装備し、広範な普及を図るなど、喫緊の課題である夜間の事故防止に着目した安全技術開発に積極的に取り組んでいく

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トヨタは、モビリティ社会の究極の願いである「交通事故死傷者ゼロの実現」に貢献するため、安全技術・車両開発の方向性を示す「統合安全コンセプト」(*5)に基づき、車両に搭載された個々の安全装備・システムを研究・開発し、「より安全な車両・技術開発」に邁進するとともに、「交通環境整備への参画」「人に対する交通安全啓発活動」を通じ、交通安全への幅広い取り組みを強化していく。



*1 AHS:Adaptive High beam System
*2 車載カメラで対向車や先行車のヘッドランプ・テールランプを認識し、ヘッドランプに装備された遮光板を制御することで対向車・先行車の眩惑を防ぎながらハイビームを使用可能とする。2012年10月発売のLEXUS LSに初採用
*3 出典:警察庁交通局「平成25年中の交通事故の発生状況」
*4 Automatic High Beam:車載カメラによって対向車・先行車のヘッドランプ、テールランプを検知し、ハイビームとロービームを自動で切り替えるシステム
*5 統合安全コンセプト:車両に搭載された個々の安全技術・システムを独立で考えるのではなく、連携を図り、全てのステージにおいて、最適なドライバー支援を追求していくという考え方