現在のクルマのCM撮影には、80~90%、もしくはそれ以上の確率でCGが挿入されていると言われている。
確かに今日のカメラワークなどは凝りに凝ってるし、車輌に派手なモーションを要求することも少なくない。
とはいえ出来立てほやほやの新車に無茶をして傷を付けるわけにも行かない広告代理店は、CG専門の会社に相談した結果、ソリューションとして「BlackBird」という便利な道具を生み出してしまった。
BlackBirdは2001年公開の映画「グラディエータ」でもVFXを担当したロンドンにある会社が開発した。
この車輌には、置き換える車輌に対応するため、ホイールベースやサスペンションを自由に変更することが可能で、重量感を生み出すことも軽快に走ることも自由自在となっている。
さらに全周モニタも搭載し、車輌の周辺がどうなっているかも記録できるということで、CG制作の際に背景を制御するデータとして活用することも可能。
これまでもCGを使ってCMを作ってきて、当然現在でも可能だが、物理エンジンの出来次第で不自然な動きを見せることもあった。
しかしこのBlackBirdを導入することにより、より自然な車輌の動作を再現することが可能になった。
しかもこの車両を導入すれば、これまで高額だったCG処理もコストを抑えて制作することが可能になるということで、今後のCMも変化が出ることだろう。
決して表に出てくることのないクルマ、BlackBirdのムービーは以下をご覧あれ。