両足切断から奇跡の復活を果たしたビリー・モンガー、BBC年間スポーツ選手賞獲得

BBCの年間スポーツ選手賞が発表され、19歳のビリー・モンガーが受賞した。

ビリー・モンガーは、16歳でイギリスのFIA F4にデビューした若手ドライバーで、その後は順調なレース活動を行っていたものの、2017年4月に開催されたレースで、視界に突然飛び込んできたペースを落としたマシンを避けきれず、両足を切断するクラッシュに見舞われる。

意識こそあったものの、救出には2時間を要し、すぐさま病院に運ばれたが、医師団の健闘も虚しく両足切断という最悪な結果を迎えてしまう。
これにはレーサーという道が絶たれたかと思われれたが、事故後も明る服振る舞うモンガーは懸命なリハビリを行い、またレースに参加する日を夢見た。
所属チームのJHRディベロップメントがレース復帰への資金をクラウドファンディングで募集すると、ルイス・ハミルトンやジェンソン・バトン、マックス・フェルスタッペンなどが賛同して寄付を実行、重ねてSNSで寄付を呼びかける活動を行うと、1日で50万ポンド(約7500万円)が集まった。

これらの支援を受け、今年の春にモンガーは英国F3選手権で復活することを発表した。
彼のために特別にマシンを改造し、左手側のパドルにアクセル、義足でブレーキを制動させる装置を装着したマシンを使い、クラッシュからわずか10ヶ月後にはテスト走行を開始する。

迎えたF3選手権では、復帰戦でなんと3位表彰台を獲得すると、23回のレースで2度のポールポジション、表彰台4回、ファステストラップ4回、獲得ポイントは301で、ランキング6位でシーズンを終えた。

奇跡の復活を果たしたビリー・モーガンは、授賞式の壇上に徒歩で上がると、ハミルトンからトロフィーを受け取った。

What an incredible young man… 💪 The winner of the Helen Rollason award, Billy Monger Racing ❤ #SPOTY #BillyWhizz

Mercedes-AMG Petronas Motorsportさんの投稿 2018年12月17日月曜日

将来はF1にもチャレンジしたいと語るなど、新たなモータースポーツキャリアを目指している。
まだまだ若いモンガーの今後のチャレンジに期待したい。