スーパー耐久シリーズ開幕!鈴鹿戦”春の陣”では777号車が”世界”初優勝!

ピレリ スーパー耐久シリーズ開幕戦が3月24日、三重県・鈴鹿サーキットで決勝レースが5時間に渡って繰り広げられた。
今季から日本に初登場した#777 D’Station Vantage GT3(星野敏/ダレン・ターナー/近藤翼)が盤石の走りで総合優勝を飾った。

東京では開花宣言が出された週末だったが、寒の戻りで気温はなかなか上がらず、北風が吹き付けるコンディションで迎えた決勝レース。
ポールポジションからスタートしたのは#1 GTNET GT3 GT-R 近藤翼だった。

2位を走る#777 D’Station Vantage GT3、3位の#300 TAIROKU RACING Ferrari 488 GT3に対して一定の距離を保ってリードを作っていた。

このまま#1号車が逃げ切るかと思われた矢先、セカンドスティントを任された#300 ハリソン・ニューエイが怒涛の追い上げを見せる。
予選最速のタイムを記録したニューエイは、45周目に#777号車をパスすると、47周目には#1をオーバーテイクすると、トップに立つことに成功する。

#1も遅れることなく#300に続いたが、53周目にスプーン立ち上がりでST-3クラスと思われる車両と接触。この影響で#777に抜かれ、#1はそのままピットに戻ってしまった。
軽微な接触かと思われた#1だったが、右リアホイールが割れるほどの影響を受け、アライメントは狂い、ドライブシャフトの交換を強いられることとなり、チームは懸命の復旧作業を見せたが、1時間もの作業時間はあまりにも長く、戦線離脱を余儀なくされた。

その後はピットタイミングなどによって#300は2番手を走行していたが、スプーンコーナー入り口でST-5クラスの車両と接触、2台ともコースオフしてタイヤバリアに突っ込んでしまう。
この結果、#300は無念のリタイヤに追い込まれる。

このときトップを走っていたのは#777。レース時間も残り1時間50分になった79周目、ピット・インしてアストンマーチンのファクトリードライバー、ダレン・ターナーにマシンを託す。
ル・マン24時間耐久レースでも多数の実績を持つターナーは、確実で着実な走りを見せながら周回を重ねると、110周目にトップを守ったままピットイン。
しかしターナーはマシンを降りることなく、ピット作業を済ませると、そのままコースに復帰していった。

初めて鈴鹿をドライブするターナーではあったが、さすが耐久のスペシャリストと呼ばれるだけの走りをライバルに見せつけ、圧巻の逃げ切りを見せ、今季初優勝。さらにはアストンマーティン ヴァンテージGT3の世界初優勝を日本で飾った。

2位は#244 LEXUS RC-F GT3(田中徹/田中哲也/佐藤組)が獲得し、3位には今季ST-3クラスから移行してきた#9 MP Racing GT-RのJOE SHINDO/柴田優作/影山正美/富田竜一郎組が表彰台を獲得した。

 

今季初バトルST-ZクラスはENDLESS AMG GT4が初優勝

 

初バトルとなったST-Zクラスでは、#2ケーズフロンティアSYNTIUM KTM(飯田太陽/加藤寛規/高橋一穂組)が予選トップでスタート。

しかし2周目には#3 ENDLESS AMG GT4を駆る山内英輝がトップに立つと、その後は後続を一切寄せ付けずにマシンを高橋翼、内田雄大、そして再び高橋とつなぎ、ノートラブルで初優勝を飾った。

#2は、レース中にキャノピーの不具合が生じ、この修復に大きなタイムロスを強いられる。この影響で2番手でのゴールとなった。

ST-1クラスでは、#998 Z-REX ADVICS R8 TRACY(シュー・リンシャオ/ジャン・ジーカン/廣田築/イエホン・リー組)が、スタート違反に対するドライビングスルーペナルティやタイヤのバーストで、いったんは大きなロスを抱えるも、しっかり挽回、完走を果たして優勝を掴んだ。

ST-TCRクラスでは、FCY(フルコースイエロー)やSC(セーフティカー)が導入されるたびにピットに入り、作業ロスを最小限に抑えた#65 Phenomen Mars Audi RS3 LMS(岡島秀章/加藤正将/下山征人/今村大輔組)が初優勝を開幕戦で勝ち取った。
3ストップではガス欠が心配されたものの、最後のスティントで加藤がマネジメントしきり、無事にチェッカーまでマシンを運んだ。
2位は#19 BRP Audi Mie RS3 LMS(HIROBON/松本武士/篠原拓朗組)が続いた。

ST-2クラスは、#6新菱オート☆DIXCELエボX(冨桝朋広/菊地靖/大橋正澄組)が予選トップからレースをリードするが、電子制御系のトラブルがマシンを襲い、ペースが下がるトラブルが発生。
これで逆転したのが#59 DAMD MOTUL ED WRX STI(大澤学/後藤比東至/井口卓人/石坂瑞基組)。マシンをゴールまで運び、今季初優勝を飾った。

ST-3クラスは#62 DENSO Le Beausset RC350(嵯峨宏紀/山下健太/小河諒組)が、ポール・トゥ・ウィンを達成。ピットでのミスが発生した際にはトップを譲ってしまったが、再逆転後は難なく逃げ切った。
2位は#38 ADVICS muta racing RC350 TWS(堀田誠/阪口良平/堤優威組)獲得した。

ST-4クラスでは、2番手スタートの#884林テレンプSHADE RACING 86(平中克幸/国本雄資/HIRO HAYASHI組)が、スタートから予選トップの#86 TOM’S SPIRIT 86をかわすと、ライバルがミッショントラブルを抱えて戦線離脱。
難なく逃げ切った#884が今季初優勝を開幕戦で飾った。
初参戦の#310 GR Garage水戸インターGR86(久保凛太郎/細川慎弥/山口礼組)2位に続いた。

ST-5クラスでは、義務付けられたピット回数では完走できないマシンがほとんどだったなか、#37 DXLワコーズNOPROデミオSKY-D(井尻薫/辻かずんど/関豊組)が3回のピットストップで済ませ、安定のペースもあって今季初優勝を飾った。
2位は#70 J’S RACING☆FIT(藺牟田政治/植田正幸/久保田英夫組)が続いた。