大波乱のスーパーフォーミュラ開幕戦予選、牧野がPP獲得!NAKAJIMA RACINGの若手二人が完全制覇!

写真提供:正木寛之

 

2019年スーパーフォーミュラシリーズ開幕戦の公式予選が4月20日、三重県・鈴鹿サーキットで開幕した。

予選Q1では、今季のルーキードライバーが次々とクラッシュし、3度の赤旗中断を挟むなど、大荒れの様相で予選が繰り広げられた。30分ほど遅れた進行の後、予選Q3で65号車 TCS NAKAJIMA RACING 牧野 任祐がコースレコードにコンマ約1秒に迫る1分36秒060で、僚友の64号車 TCS NAKAJIMA RACING アレックス・パロウを退け、ポールポジションを獲得した。
NAKAJIMA RACINGのルーキー二人は、は予選Q1からQ3にかけて、すべてのセッションで1-2位で通過する圧倒的な強さを見せ、衝撃のデビューを飾った。

今季からSF19にマシンが変わった最初のレース。今後の行方を占う大事な一戦になる開幕戦とあり、各陣営ともに熱の入った様子で公式予選に臨んだ。

クラッシュ続発赤旗3回!波乱のQ1

気温20度、路面温度25度の快晴でシーズン開幕を迎えた2019 スーパーフォーミュラ開幕戦。
舞台の鈴鹿サーキットでは、1コーナー側から最終コーナーに向かって吹き付ける風が吹き、タイムが出しにくいコンディションで18分のQ1がスタート。

しかしセッション開始早々、39号車 P.MU/CERUMO INGING 坪井翔が2コーナーでコースアウトすると、タイヤバリアに突っ込んで赤旗が提示されてしまう。
坪井にはほろ苦いスーパーフォーミュラデビューとなったが、マシンの撤去を終えてセッションが再開する。

しかし今度はデグナー出口アウト側のタイヤバリアにまっすぐ突っ込んだ7号車 TEAM LEMANS アーテム・マルケロフのマシンがスクリーンに映し出され、再度セッションは赤旗で中断。
このマシンも撤去し、再びセッションが開始されると、今度は51号車 B-MAX RACING with motopark ハリソン・ニューエイがスプーン2つ目でハーフスピンに陥って失速すると、後続の36号車 VANTELIN TEAM TOM’S 中嶋一貴がこれに突っ込んでしまい、3度めの赤旗が提示された。

ここまで誰もタイムを記録できていない状況でのトラブルとあり、各陣営はストラテジーの見直しが迫られる。
大混乱のセッションは残り5分14秒から3度めの再開を果たすと、ほぼすべてのマシンが一斉にコースインするなか、37号車 VANTELIN TEAM TOM’S ニック・キャシディだけがコースインを遅らせ、1周のみのクリアラップをこじ開けてタイムを出す作戦に。

各車アタックに入り、最初に64号車 TCS NAKAJIMA RACING アレックス・パロウがコースイン2周目から1分37秒620を記録してトップに立つと、16号車 TEAM MUGEN 野尻智紀、65号車 TCS NAKAJIMA RACING 牧野が迫るが2番手以降に沈む。最終的に牧野が2位につけ、NAKAJIMA RACINGのルーキー二人が予選Q1を制する結果に。
38号車 P.MU/CERUMO INGING 石浦宏明を含む8人がQ1で脱落するなど、波乱の予選となった。

予選Q1の混乱を受け、約30分遅れの16時46分からスタートした予選Q2でも、NAKAJIMA RAACINGのフレッシュな二人の躍動が続く。
パロウ、牧野が1-2を奪取すると、このタイムには誰も及ばずにセッションは終了する。
一方、4号車 KONDO RACING 国本雄資、ニック・キャシディといった実力者がここで脱落してしまう。

NAKAJIMA RACING予選を完全制覇

いよいよポールポジションを決する予選Q3。
いつもどおりの静かなセッション開始で、残り5分30秒から各車がコースインする中、1号車 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 山本尚貴と5号車 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 福住仁嶺はピットで待機すると、残り3分で2台ともコースイン。
最初に計測に入ったのは3号車 KONDO RACING 山下健太だったが、その後方で山下のタイムを上回ってアタックしたのが、やはりTCS NAKAJIMA RACINGのルーキー二人だった。

セッション終了を告げるチェッカーフラッグが振られると、真っ先に山下がトップタイムの1分36秒730を記録すると、その直後にパロウが1分36秒089でトップに立ってポールを決めたかと思われたが、最後の最後にチームメイトの牧野がフィニッシュラインに飛び込むと、1分36秒060をマーク。
0.029秒の僅差(約2m差!)でポールポジションをチームメイトから奪還した。

3番手には昨年のシリーズチャンピオン、山本尚貴が、4番手には福住仁嶺が続き、2列めグリッドを埋めた。
結果、ホンダ勢が1-2-3位を独占する予選となった。

トヨタ勢の最高位は5番手の19号車 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 関口雄飛だった。

2019年シリーズの行方を占う大切な開幕戦。SF19初勝利に一歩有利なNAKAJIMA RACINGの二人がレースをリードするのか、それともベテラン勢の巻き返しがあるのか、見どころ満載の決勝レースは4月21日、14時00分から43周(最大90分間)で争われる。

■予選ダイジェストは以下の通り

牧野任祐PPラップオンボード映像はこちら

■その他の結果は以下の通り
※編集中