スーパーGT第2戦富士決勝、GT300クラスはGAINER TANAX GT-Rが逃げ切って辛勝

写真:有坂崇

 

スーパーGT第2戦の決勝レースが5月4日、静岡県・富士スピードウェイで開催され、GT300クラスでは雷雨に翻弄された難しいレースを終始リードした11号車 GAINER TANAX GT-R 平中克幸/安田裕信組が今季初優勝を飾った。

朝は爽やかに晴れ渡った決勝日だったが、ウォーミングアップ走行が終わる頃には雲が厚く立ち込み、グリッドウォークでは雨粒が降り始め、コースを濡らしていった。

セーフティカー先導で開始された決勝レースでは、3周目からグリーンフラッグが提示されてバトルが開始される。
この雨で躍動したのが予選4番手スタートの11号車 GAINER TANAX GT-R 安田裕信だった。

オープニングラップで5号車 ADVICS マッハ車検 MC86 マッハ号 坂口夏月、25号車 HOPPY 86 MC 松井孝允をオーバーテイクすると、翌周の最終コーナーでもポールポジションからスタートした56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R 平峰一貴をパスしてトップに立つ。

5周目には雨脚は一段と増えてくるが、このとき予選7番手からスタートした55号車 ARTA NSX GT3 高木真一も同様に上位を猛追。9周目には3位に浮上してきた。
しかし13周目、雨が激しくコースを叩きつけ、雷も鳴り始めたことからセーフティカーが導入される。ほどなくして赤旗も提示され、レースは一時中断する。

雨雲の行方を見ながら待機する各陣営ではあったが、雨脚は徐々に弱まり、15時33分にレースが再開する頃にはほぼ止んできた。
セーフティカー先導で再開されたレースは、路面も徐々に乾き始めていくと、昨年のシリーズチャンピオンである65号車 LEON PYRAMID AMG 蒲生尚弥が躍動し始める。
27周目には34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3、28周目には56号車、そして31周目には遂に11号車をもパスしてトップに立った。

このタイミングで路面はドライのラインができ始めており、35周を終えて11号車がいち早くスリックタイヤに履き替えると、上位陣もこれを皮切りにルーティーンのピット作業に入る。

各車が1度目のピットを終えると、このときにトップに立っていたのは11号車 平中克幸で、以下65号車 黒澤治樹が続くが、43周目に56号車 サッシャ・フェネストラズが65号車をかわして2位に浮上すると、55号車 福住仁嶺、88号車 元嶋佑弥にも抜かれてしまう厳しい展開に。
レースも終盤を迎える70周目、各車が2度めのピット作業に入る。

トップをゆく11号車は75周目にピットインすると、再び安田にマシンを託し、最後のスティントに臨む。
安田は「56号車との一騎打ちになる」と思っていたが、「全然違う車が追い上げてきた」。その正体は55号車 高木だった。2度めのピット作業ではタイヤ無交換でコースに復帰した高木は、それでもペースが鈍ることなくトップを猛追すると、最終ラップで遂にテールトゥノーズの大接戦に。

@GTA

必至のディフェンスで順位を守る安田に対し、ラインを変え、なんとかオーバーテイクを試みる55号車 高木。
最終コーナーでも大きくスライドしながら11号車に果敢にチャレンジしたが、安田はこれを防いでホームストレート勝負に発展。
加速する2台はNSXがわずかに追い上げを見せたが、0.239秒差で安田がトップを守りきり、今季初優勝を飾った。

最後の最後まで果敢に優勝を狙った高木だったが、一歩及ばず2位チェッカーとなった。しかしレース終盤を大いに盛り上げ、その走りは未だ衰え知らずのベテランの燻し銀そのもの。まだまだ手強い存在であることを示した。

56号車と激しい3位争いを繰り広げたのが88号車を駆る元嶋だったが、残り4周で88号車が1コーナーで56号車をオーバーテイクすることに成功。小暮卓史とともに3位表彰台を獲得した。

■レースダイジェストは以下の通り

■その他の結果は以下の通り
※編集中

次戦第3戦は5月25-26日、三重県・鈴鹿サーキットで「SUZUKA GT 300km RACE」として開催される。