スーパーGT第2戦富士決勝、GT500クラスは23と38の壮絶バトルをZENTが制する

写真:有坂崇

 

スーパーGT第2戦の決勝レースが5月4日、静岡県・富士スピードウェイで開催され、予選7位に沈んだ38号車 ZENT CERUMO LC500 立川祐路/石浦宏明組が、レーススタートから降り始めた雨、そして雷も轟く混乱したレースを制し、2年ぶりに優勝を果たした。

朝は晴天に恵まれたものの、ウォームアップ走行から雲行きは怪しくなり、スタート直前に雨粒が落ちてくると、徐々にコースはレインコンディションに変化していく。
各陣営はグリッドでレインタイヤに履き替えて決勝レースに臨むことになった。

レースはセーフティカー先導でスタートすると、3周目でグリーンフラッグが提示され、バトル開始。

手探りでグリップを見極める難しいコンディションのレースでは、ダンロップコーナーでポールスタートの23号車 MOTUL AUTECH GT-R ロニー・クインタレッリを37号車 KeePer TOM’S ニック・キャシディがパスしてトップに躍り出ると、その差を広げていく。。
その後方では38号車 ZENT CERUMO LC500 立川祐路が、他車のオーバーシュートなどで3位にまで一気に順位を上げてくる。

この頃から雨脚は強まり、先頭に立った37号車は、一度はパスした23号車に再び接近を許すと、7周目にはトップを奪還することに成功。
38号車もこれに続くと、13周目には23号車をパスしてトップに立つなど、コンディションの変化に翻弄されながらバトルを展開する。

しかしこの直後、強まる雨脚に加えてサーキット上空でも稲妻が走り始めたことから、セーフティカーが導入され、その後赤旗が提示される。

30分ほどの中断を挟んだが、雨が落ち着いた15時33分にセーフティカー先導でレースは再開される。
19周目にグリーンフラッグが提示されると、37号車が2番手に浮上し、そのまま38号車をも捉えて再びトップに立ったが、周回が進むごとに次第に路面は乾いていくと、今度は23号車が再び息を吹き返す。
一旦は5位まで順位を下げた23号車だったが、徐々に前車をパスしていくと、30周目にはトップに三度返り咲く。

37周目にはピットに入るチームが出始め、セカンドスティントに突入すると、このときでもトップをキープしたのは松田次生に交代した23号車だった。

37号車もピットインし、マシンを平川亮に託すが、コース復帰1コーナーでオーバーランすると、44周目には12号車 CALSONIC IMPUL GT-Rと1コーナーで絡んでスピンを喫し、この影響で左フロントホイールを痛めて3度めのピットイン。完全に優勝争いから脱落した。

23号車に続き、2番手に38号車の石浦宏明、3番手に3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R フレデリック・マコヴィッキィ、1号車 RAYBRIG NSX-GT ジェンソン・バトンのオーダーでレースは進行する。

レースが動いたのは59周目。ストレートエンドで38号車が23号車のアウトから被せて並ぶと、切り返しのコカコーラコーナーでインを突き、トップに浮上する。
78周目にピットインして再び立川祐路がコースに復帰すると、23号車は80周目にピットに戻って最後のルーティンワークをこなし、ロニー・クインタレッリがコースに戻ると、NISMOは38号車の前でコースに復帰させる抜群のピットワークを見せる。
しかし38号車も食い下がり、残り20周で23号車のテールを捉える。

このとき、4位を走行していた3号車 平手晃平もペースが鈍り、39号車 ヘイキ・コバライネンに3位を奪われてしまう。ミシュランタイヤの2台が苦しい展開に。

一方、トップ争いはしばらく23号車を観察する余裕を見せていた38号車は残り11周、59周目に石浦が見せたオーバーテイクと同じように23号車をパスしてトップに立つ。
これでペースを鈍らせた23号車を置き去りにし、順調なペースを維持して500kmを走りきり、2年ぶりの優勝を前回と同じ富士スピードウェイで掴み取った。

ポールスタートから幾度となくトップから陥落するも、その度にトップに返り咲きながらレースを運んだ23号車だったが、最後は力尽きてペースを落としたものの、2番手でレースを終え、開幕戦に続いて2度めの2位を獲得した。

3号車を交わして3位に浮上した39号車だったが、1号車が後方から迫り、レース残り8周で山本に並びかけられるなど苦しい走りを続けたが、残り6周、1コーナーで1号車にパスされて順位を落としてしまう。
この結果、1号車が開幕戦の悔しい結果を跳ね返す3位表彰台を獲得した。

 

3メーカーが表彰台を分ける結果となった第2戦では、立川が通算19勝目、石浦が6勝目を飾った。
今季よりチーム体制が一新され、総監督に就任した立川祐路と取締役に就任した石浦宏明のペアは、「今季絶対に勝ちが欲しかった」と語り、境遇の変化に結果で応える走りを見せた。

■レースダイジェストは以下の通り

■その他の結果は以下の通り
※編集中

次戦第3戦は5月25-26日、三重県・鈴鹿サーキットで「SUZUKA GT 300km RACE」として開催される。