メルセデス・ベンツのAMGパフォーマンス・ディビジョンは、メルセデスAMG GT Sのハードコアモデル「メルセデスAMG GT R」をグッドウッド・フェスティバルの会場で発表した。
今回は圧縮比やエンジンマッピング、給排気系を見直すことにより、GT Sと同様の4.0リッターV8ツインターボエンジンから75psアップの583psまで出力を高めた。
AMGは、このGT R専用のペイント「グリーン・ヘル・マグノ」というカラーリングを施した。このグリーン・ヘルとは、ニュルブルクリンクのノルドシェライフェの別名である。
組み合わせられるトランスミッションはAMGスピードシフト7速デュアル・クラッチと同様だが、こちらもGT Sよりも1速のギア比は高められ、7速のギア比が低く設定された。
同時にファイナル・ドライブ・レシオも低くなり、レース・スタート機能はよりアグレッシブに変更されている。
しかしトップ・スピードは、GT Sよりも6km/h上がった319km/h。これは軽量化や空力特性の見直しが図られたことに起因する。
軽量化ではチタニウム・サイレンサーと20インチの鍛造アルミ・ホイールが与えられ、ルーフはカーボンファイバー製となり、軽量化のために遮音材が簡単に外せるようになっている。
0-100km/h加速はGT Sよりも0.2秒速くなり3.6秒。
リアに取り付けられるアクティブ・ディフューザーは、レース・モードにおいて80km/h以上になると40mm前方へ移動し、250km/h時にフロント・アクスルに40kgのダウンフォースを発生る。
リアの大きなカーボンファイバー製のリア・ウイングは、319km/h時にプラス155kgのダウンフォースを発生させる。
サスペンションは、4輪ダブル・ウィッシュボーンで、コンフォート、スポーツ、スポーツ・プラスの3段階で調整が可能。
ステアリングまわりには大幅な改良が施された。
スピード・センシティブ・バリアブル・レシオ・ラックと、初めての装備である4WSが採用された。
この4WSは、100km/h以下ではフロントと逆位相に、100km/h以上ではスタビリティを増加させるためにフロントと同位相にリア・ホイールをステアする。
これにより低速から高速域までをカバーする旋回性能の向上を得た。
発売は11月からを予定しているが、価格はまだ明らかにされていない。
このモンスターマシンの登場にルイス・ハミルトン選手も脱帽の様子だ。
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