3クラスでチャンピオン決定!スーパー耐久もてぎ戦は ENDLESS GT-Rが今季初優勝

ピレリ スーパー耐久シリーズ第5戦の決勝レースが9月23日、栃木県・ツインリンクもてぎで開催された。
総合優勝は#3 ENDLESS GT-R 田島剛/山内英輝/銘苅翼組が今季初優勝を飾った。

ST-Xクラスでは、#99 Y’s distraction GTNET GT-R 浜野彰彦/星野一樹/藤波清斗組が3位フィニッシュを果たし、最終戦を待たずにシリーズチャンピオンを獲得した。
ST-TCRクラスで2位の#97 Modulo CIVIC TCR 植松忠雄/中野信治/大津弘樹/小林崇志組が、ST-4クラスでも今季5勝目を挙げた#86 TOM’S SPIRIT 86 松井孝允/坪井翔/中山雄一組が、最終戦を待たずにチャンピオンを獲得した。

決勝レースは上空に雲が多く、合間から太陽が顔を覗かせる天気で迎えた。

ST-Xクラス

ポールポジションからスタートした#24スリーボンド日産自動車大学校GT-Rは藤井誠暢がスタートを担当し、グリーンシグナルの点灯と同時に鋭いダッシュを決め、オープニングラップのうちに後続を引き離していく。

2番手争いは熾烈を極め、1コーナーでひとつ順位を上げたのは#99 Y’s distraction GTNET GT-R 藤波清斗。
先行を許した#81 J-Fly Racing R8 川端伸太朗は最終コーナーでスピンを喫し、4番手にまで後退。
代わって#3 ENDLESS GT-R 銘苅翼が3番手に浮上する。

その後は順位変動が起きず、42周目に3台のGT-Rが同時にピットイン。
それぞれマシンを託された平峰一貴、浜野彰彦、山内英輝の順位も変動しないままにピットアウトした。
平嶺は引き続き後続を引き離していったが、迎えた59周目にシフト系のトラブルが発生し、再びピットインすると、修復に約20分をロス。上位争いから脱落してしまう。
これでトップに躍り出たのが#3 ENDLESS GT-R 山内。

レースはENDLESSとGT-NETの一騎打ちで展開されるかと思われたが、この争いに割って入ったのが#83Phoenix Racing Asia R8だった。

今レースがスーパー耐久初出場のアウディワークスドライバー、マティウス・ベッシの速さは際立ち、早めの交代を行なっていたのが功を奏して2番手にまで復帰すると、田島剛に代わったばかりの#3 ENDLESS GT-Rを、93周目の90度コーナーでパスしてトップに躍り出た。
100周目にメルビン・モーに交代し、4番手にいったんは順位を落とした#83 Phoenix Racing Asia R8だったが、112周目に#99 Y’s distraction GTNET GT-Rがピットに入ると、再びモーがトップに返り咲く。
今回のピットストップ義務は3回だったが、ハイペースを維持するPhoenix Racingは4回のピットストップを敢行。
残り43分間となる、128周目にベッシを再投入し、優勝に向けて視界がひらけてきたと思われた。

しかし142周目、突如#81に10秒ストップを命じる黒旗が提示される。
黄旗2本提示区間での追い越しをしたとして課されたペナルティだった。

これによりENDLESS 銘苅が145周目からトップに返り咲き、150周の走破を果たした#3 ENDLESS GT-Rは今季初優勝を土壇場の大逆転で奪った。
#83 Phoenix Racing Asia R8のベッシは、残り4周で藤波をかわして2位でフィニッシュした。

そして3位を得た#99 Y’s distraction GTNET GT-Rと星野は、2014年以来のチャンピオンに返り咲き、浜野と藤波は初のタイトル獲得となった。

なお、ST-Xクラス勢は6台が揃って完走を果たしている。

ST-1クラス

総合7位はクラス孤軍奮闘となった#31 Porsche 991GT3CupのJ.Stark/影山正美/上村優太組がトラブルフリーでクラス優勝を獲得。
影山をコーチとすることでは変わらずも、ジェントルマンドライバーを改めた新体制の門出を飾ることとなった。

ST-Zクラス

#51 DIAMANGO Caymanの石原将光/坂本祐也/池田大佑組がグループ1最後列からのスタートだったが、一時は総合のトップ10にも加わる勢いを見せたが、26周目のピットストップの後に電気系トラブルが発生して約1時間をロスするが、その後は快調に周回を重ね、総合41位ながら完走を果たした。

ST-TCRクラス

ポールポジションからスタートした#65 L&JR Mars Audi RS3 LMSが序盤から快走。
まず今村大輔から石澤浩紀へのリレーも完璧に、義務づけられたピットのうち、2回目から3回目は1周だけで今村から加藤正将に代わり、なおかつタイヤ無交換という奇策を講じてトップを守ろうとしたが、ブレーキが音を上げてしまい万事休す。

代わってトップに立ったのは、2番手スタートの#98 Modulo CIVIC TCR 飯田太陽/加藤寛規/石川京侍組だった。
#97 Modulo CIVIC TCRの植松忠雄/中野信治/大津弘樹/小林崇志組も後に続く。
タイトルに王手がかかっていたこともあり無理せず周回を重ね、それぞれポジションを最後まで保ってフィニッシュ。
#98 FLORAL CIVIC TCRは、前回のオートポリスに続く2連勝となった。

この結果、#97 Modulo CIVIC TCRが悲願の年間王座を獲得した。

ST-3クラス

予選トップだった#62 DENSO Le Beausset RC350 山下健太だったが、僅差で#38 Muta racing ADVICS RC350 TWS 阪口良平も続く。

坂口は、今回がデビューとなったマシンを駆りながら、以前のクルマと変わらぬ速さを見せて15周目に山下をパスしてトップに立つが、山下も食らいつき、23周目に再逆転。

その後は#62 DENSO Le Beausset RC350は、39周目に嵯峨宏紀に、75周目に宮田莉朋に代わった後もトップを守り続けるが、最後のピットストップとなった99周目には、タイヤ無交換で山下にマシンを託す。
しかしエンジンの再始動に手間取り、その間に#38 Muta racing ADVICS RC350 TWSの先行を許してしまう。

#38 Muta racing ADVICS 堀田誠に最終スティントを託した112周目には、山下とは30秒以上の差があり、残り1時間で逃げ切りを図る。
しかし山下は次第に堀田との差を詰めていき、125周目には10秒を切るまでに接近すると、132周目には山下は5コーナーで堀田のインを刺してトップを再奪還する。
ゴールまであと10分間というタイミングで土壇場の大逆転を果たし、#62 DENSO Le Beausset RC350が今季初優勝を飾った。
3位は#68 埼玉トヨペットGreen Brave GR SPORTマークX 服部尚貴/脇阪薫一/平沼貴之組が入り、最終戦までタイトル争いが持ち越された。

ST-2クラス

今回のST-2クラスは予選から決勝にかけて#6新菱オート☆DIXCELエボX 冨桝朋広/菊地靖/大橋正澄組がスピードで他を圧していたが、92周目のV字コーナーで追突され、フロントのアンダースポイラーやオイルクーラーを傷めてしまう。
修復して3番手でレースに復帰したが、#59 DAMD MOTUL ED WRX STI 大澤学/後藤比東至/井口卓人/石坂瑞基組はトップに立つと逃げ切り果たして今季4勝目をマーク。
最終戦をより有利に戦えることとなった。

ST-4クラス

予選でST-4クラスのトップだった#58ウインマックステインワコーズDC5☆KRP 小林康一/塩谷烈州/伊藤裕士組は、決勝でも速さを見せたが、#86 TOM’S SPIRIT 86の松井孝允/坪井翔/中山雄一組はロングスティントや、タイヤ交換は1回だけとするなど、作戦の駆使で#58を逆転してトップに躍り出る。
2番手はキープし続けていた#58だったが、ゴールまであと15周というところでエンジンが悲鳴を上げてしまい、無念のリタイアを喫してしまう。
難なく逃げ切った、#86TOM’S SPIRIT 86が今季4勝目をマークして2連覇を達成した。
常勝TOM’S SPIRIT 86ながら、もてぎ初優勝となった。
2位は#13ENDLESS 86 小河諒/高橋翼/花里祐弥/呉良亮組が獲得し、第2戦以来の表彰台に上がることとなった。

ST-5クラス

ST-5クラスでは、ランキングのトップを僅差で争うロードスター勢は、#88村上モータースMAZDAロードスターはブレーキの、#2 TEAM221ロードスターはエンジンの不調に苦しみ、決勝レースでも解消されずに苦戦した。
代わって予選でもトップだった#4 THE BRIDE FIT 見並秀文/太田侑弥/相原誠司郎組が速さを見せる。
スタートから太田が逃げ続け、後を受けた見並や相原もハイペースでの周回を重ねていくと、義務づけられたピットストップを3回に留めず、5回も行う積極策が功を奏し、全車を周回遅れとして圧勝した。チームはこれが初優勝となった。
2位は#37 DXLワコーズNOPROデミオSKY-D 関豊/井尻薫/大谷飛雄組が獲得。
3回のピットストップでロスを最小限にしていた。

 

最終戦「ピレリスーパー耐久シリーズ2018 第6戦 スーパー耐久レースin岡山」は11月3-4日(土-日)、岡山県・岡山国際サーキットで開催される。

 

 

番外編

今回、新人カメラマンがデビューした。

どことなく見覚えがある好青年…

プレスルームで思わず二度見してしまったのは、国本雄資選手だった。

日頃からカメラが趣味と公言していた国本、大砲を背負う姿もバッチリ決まっている。

が、レースクイーンのお姉さんを照れながら撮る姿は、周囲の笑いを誘っていた。

写真は某メディアを通じて発表されるとのことで、一昨年のスーパーフォーミュラチャンピオンの腕前やいかに。