ル・マン24時間レース、TOYOTA GAZOO RACING8号車が悲願達成

WEC(世界耐久選手権)2018年シリーズ第2戦、ル・マン24時間レースが6月16日(土)から17日(日)にフランスで開催され、TOYOTA GAZOO Racingのトヨタ TS050 HYBRID 8号車(中嶋一貴/セバスチャン・ブエミ/フェルナンド・アロンソ)が優勝し、2位には7号車(小林可夢偉/マイク・コンウェイ/ホセ・マリア・ロペス)が続いた。
20年に亘るトヨタのチャレンジ、悲願のル・マン24時間レース初制覇を、1-2フィニッシュで飾った。

5度の2位、さらには2016年に襲った悪夢の残り3分でのリタイア。
数々の悔しい結果を噛み締めてきたTOYOTA。ライバル不在となった今シーズンでは、見えない敵(つまり自チーム自身)との戦いになった。
24時間を走り切る難しさ、勝つ難しさを嫌というほどに味わってきたTGR。

今レースでも残り5分を切ってなお、ゴールを目前に控えたTOYOTA GAZOO RACINGのピットには、プロジェクトリーダーを始め、まだまだ浮かれた顔をする者はいなかった。

チェッカーをくぐるまでは何が起きるか解らないのが耐久レースの難しさであり、残酷さ。

ファイナルラップには、燃料使用量超過と周回数超過と2度の10秒ペナルティを課された小林可夢偉がドライブする7号車を従え、8号車をドライブする中嶋一貴は、無事にマシンをチェッカーまで運んだ。
中嶋は、日本車に乗った日本人ドライバーでは初優勝という偉業を成し遂げた。

日本のメーカーがル・マン24時間レースを制するのは、1991年のマツダがMazda 787Bで優勝して以来。

トヨタは1985年に、トヨタ・トムス85C、トヨタ・童夢85Cで初参戦し、12位以来で、今年、ついに悲願の初優勝を果たした。




今季は、世界三大レースでのトリプルクラウンを目指して中嶋一貴、セバスチャン・ブエミとともに参戦したフェルナルド・アロンソは、F1モナコGPに続いて2冠を達成。
残るはインディ500のみとなった。

なお、日本人ドライバーの優勝は1995年の関谷正徳、2004年の荒聖治に続いて中嶋一貴が3人目で、それまでの2人が海外メーカーの参戦車両で優勝してきたが、日本人ドライバーが日本車に乗って優勝した初めての例となる。

LMP2クラスは、26号車 Gドライブ・レーシング/オレカ07・ギブソン(ロマン・ルシノフ/アンドレア・ピッツィトーラ/ジャン・エリック・ベルニュ)が優勝。
2位に36号車 シグナテック・アルピーヌ・マットムート/アルピーヌA470・ギブソン、3位にはグラフ-SO24オレカ07・ギブソン/オレカ07・ギブソンが続いた。

GTE Proクラスは、今年70周年を迎えたポルシェが1-2フィニッシュを達成。
1971年にル・マンに参戦したポルシェ917/20に施された“ピンクピッグ”のカラーリングの92号車が優勝。
ポルシェ956の“ロスマンズカラー”のカラーリングの91号車が2位に続いた。
3位には68号車 フォード・チップ・ガナッシ・チームUSA/フォードGTが入った。

GTE AMクラスでは77号車 デンプシー・プロトン・レーシング/ポルシェ911 RSRが優勝し、ポルシェが2クラスを制覇。2位には54号車 スピリット・オブ・レース/フェラーリ488 GTE、3位には85号車 キーティング・モータースポーツ/フェラーリ488 GTEとフェラーリがダブル表彰台を獲得した。

 

画像提供:TOYOTA GAZOO RACING