FIA世界耐久選手権(WEC)の第4戦「6 HOURS OF FUJI」が10月13日・14日の2日間、富士スピードウェイ(静岡県)で行われ、TOYOTA GAZOO Racingの7号車(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)が見事優勝を果たした。
TS050ハイブリッドは予選で圧倒的な強さを見せつけるも…
ル・マンを制したTOYOTA GAZOO Racingの凱旋レースとなった今大会。
日本人ドライバーとして3人目のル・マン勝者となった中嶋一貴、WECの一員として初めて富士に姿を見せたフェルナンド・アロンソの走りなどに注目が集まった。
13日の午後に行われた予選でもTOYOTA GAZOO Racingの7号車がシルバーストーンに続き2戦連続のポールを獲得し、2番手に8号車と、圧倒的な強さをノン・ハイブリッド勢に見せつけた。
3番手以下は、レベリオンの1号車と3号車、SMPレーシングの17号車、そしてジェンソン・バトンがステアリングを握るSMPレーシングの11号車が続いた。
しかし、ポール獲得に湧くTOYOTA GAZOO Racingのチーム関係者がメディアの取材に応えている最中、7号車で最初のアタックを行ったロペスがコントロールタワーに呼び出されるという一報が入り、現場は凍りつく。直後、FIAはロペスのピットロードでの速度違反を発表、900ユーロ(約12万円)の罰金とともに、予選タイムを抹消する裁定が下った。
これにより、ポールポジションは8号車に。7号車はLMP1勢最後尾となる8番グリットで決勝スタートを迎えることとなった。
トヨタのライバルはトヨタ。7号車と8号車の一騎打ち
決勝日は朝から雨模様。しかしスタート直前の11時には雨が止だものの、気温は13度と低く、この時期の富士としては少し肌寒い中でスタートの火蓋が切られた。
ホールショットを決めたのは中嶋一貴がステアリングを握る8号車。いっぽう小林可夢偉がドライブする7号車は猛烈な追い上げを慣行し、1周目ですでに2番手に浮上。8号車を追いかける。
しばらくすると、滑りやすい路面ゆえかトラブルが続出する。まず17号車BR1から左フロントタイヤが脱落。
その後、ホームストレートで石川資章がドライブするMRレーシングの70号車フェラーリ488 GTEの右リヤタイヤがバーストするアクシデントが発生し、セーフティカー(SC)が導入される。
さらに2コーナーの先で3号車がセーフティーカー導入中にも関わらずクラッシュ。リスタートまで30分かかる事態となった。
8号車はセーフティーカー先導中にタイヤ交換を選択。ここでトヨタ2台の順位が入れ替わる。その後、7号車が8号車に対して約10秒のマージンを築いてレースが進んでいく。 しかし可夢偉のペースが突如ダウン。一旦はテール・トゥ・ノーズ状態にまで7号車との差は縮まった。
可夢偉からバトンを受け取ったコンウェイがスパートを見せて10秒以上のギャップを構築。さらにロペスが引き離しにかかり、残り1時間の段階でギャップは17秒近くにまで広がる。
そしてチェッカーに向けてのドライブする最後のスティントでは、7号車の可夢偉と8号車の一貴が登場。
一貴は必死に可夢偉を追い上げるが、その差が縮まることはなく、可夢偉はトップでチェッカーを受けた。
2番手は8号車、3番手以下に、1号車のリベリオン、4号車バイコレスが続き、ジェンソン・バトンがステアリングを握った11号車は5番手に入った。