2018 スーパーGT第6戦の決勝レースが9月16日、宮城県・スポーツランドSUGOで開催された。
GT300クラスでは、タイヤ無交換、左2輪交換といった戦略が飛び交う決勝レースになったが、61号車 R&D SPORTS BRZ 山内英輝/井口卓人が、コンビ結成から4年で初のポール・トゥ・ウィンを達成した。
今季は表彰台に一度は乗っているものの、完走すら難しいシーズンが続き、辛酸をなめてきただけに喜びを爆発させる2年ぶりの優勝だった。
ピットウォークを迎える頃には25度に達し、予報を覆す気温で迎えた決勝レースを前に、戦略の練り直しに迫られているチームが出ていた。
決勝レースでは、ポールポジションの61号車 R&D SPORTS BRZ 松井孝允が抜群のスタートを見せ、2位以下を引き離しにかかる。
2番手スタートの25号車 HOPPY 86 MC 坪井翔は、9号車 GULF NAC PORSCHE 911の猛攻を受けて後退すると、さらに11号車 GAINER TANAX GT-R、21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMSに次々とパスされてしまう。
この様子にタイヤ無交換を実行すると目された25号車だったが、61周目にペースダウンすると、緊急ピットインしてマシンをガレージに仕舞ってしまう。
サスペンションにトラブルを抱えて修理に入ったが、戦線からは離脱してしまった。
34周を終えたところで61号車はピットに戻ると、タイヤ4本を交換するフルサービスを実施し、マシンを井口卓人に託す。
今シーズンは鈴鹿戦で2位フィニッシュを果たしているものの、マシントラブルで完走が出来ないレースが続き、チーム不調も囁かれていたが、先月に実施された公式テストで好感触を掴んだSUBARUチームは、力強い走りで周回を重ねる。
最大19秒までに開いた2位とのギャップではあったが、迎えた67周目に31号車 apr PRIUS GT 平手晃平と96号車 K-tunes RC F GT3 新田守男がSPコーナー進入で交錯し、平手がアウト側にコースオフ。タイヤバリアに真横から接触してレースを終えたが、マシンの撤去作業のためにセーフティカーが導入される。
これで2位以下に築いたマージンが帳消しになったBRZだったが、ピット内の山内が中継に映し出されると、どことなく余裕を見せてサムアップする姿が映し出される。
この余裕を裏付けるように、レースがリスタートすると、早々に2位以下に5秒の大量リードを築いてホームストレートに戻る。
その後もコース随所でコースオフするバタつきの激しいレースとなったが、BRZを脅かす存在は現れず、今季初優勝を飾った。
今シーズンは思うような結果が出ず、第5戦の500マイルレースではスタートから30分後にリタイアを喫するなど、苦しいシーズンを過ごしてきたが、チームは改善に努めてきただけに、喜びもひとしおの今季初優勝だった。
セーフティカーの導入により、15秒近くのマージンを帳消しに出来た10号車 GAINER TANAX triple a GT-R 星野一樹だったが、リスタートでは井口に先行され、追い上げることは叶わずに2位フィニッシュとなった。
3位争いはリスタートから熾烈を極め、0号車 グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口信輝と88号車 マネパランボルギーニ GT3との争いに発展したが、リスタートからペースが上がった34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3 大津弘樹が加わっての三つ巴に。
結局0号車が3位を死守したが、最終ラップ最終コーナーで仕掛けた88号車は、ディフェンスで甘くなる0号車、オフェンスで必死の88号車に対して、34号車の大津は一気に上り坂を加速すると、88号車をコントロールラインまでに鼻差で仕留めることに成功。
大殊勲の4位フィニッシュを獲得した。
34号車は前戦の富士で、ZENTのクラッシュに巻き込まれる形でマシンを廃車にしたが、道上龍を始めとし、チームが一丸となって新車のNSX GT3を新たに入手。
今期の参戦が継続される喜びと重なった。
次戦第7戦は10月20-21日、大分県・オートポリスで開催される。