2018 スーパーGT第6戦の決勝レースが9月16日、宮城県・スポーツランドSUGOで開催された。
ポールポジションからスタートした100号車 RAYBRIG BSX-GT 山本尚貴/ジェンソン・バトンが、序盤こそペースの安定させられずにトップを譲ったものの、ピットワークで逆転して再びトップに立つと、その後はセーフティカー導入などもあったが、盤石の走りを見せてポール・トゥ・ウィンで今季初優勝を飾った。
前日までの天気予報とは違い、時折雲が太陽を隠すものの、気温はピットウォークからぐんぐん上昇し、30度を記録した概ね晴れの天気で迎えた決勝レースでは、持ち込んだタイヤを作動させる温度レンジに保つことに困難が予想されるコンディションで迎えた。
スタートは順位変動の少ない綺麗な隊列でレースがスタートする。
2番手グリッドの12号車 カルソニック IMPUL GT-R ヤン・マーデンボローは、9周目に8号車 ARTA NSX-GT 伊沢拓也に抜かれて順位をひとつ落としたものの、19周目には再び12号車が8号車を抜き返し、2番手に復帰する。
さらに12号車は快調なペースでラップを刻み、23周目にはトップを行く100号車 RAYBRIG NSX-GT 山本直樹をパス、トップに立つ。
100号車は34周を走ってピット・インすると、山本からジェンソン・バトンにドライバーチェンジ。
ドライ路面のスポーツランドSUGOでは走行経験が乏しいバトンがトップを守りきれるのか、注目が集めてコースイン。
心配こそされたものの、バトンは自身の順応の速さを周囲に見せつける走りを決勝日でも展開する。
トップをゆく12号車と、2番手を走行する#8 ARTA NSX-GT 伊沢拓也が38周目にピット・インすると、12号車 佐々木大樹はバトンの前でコース復帰が、タイヤの温まっていない佐々木をバトンはハイポイントコーナーで並び、レインボーコーナーでパスして実質トップに返り咲く。
12号車は45周目に最終コーナーでオーバーランすると、それまでのペースを継続することが困難になる。
12号車のトラブルにより、8号車 野尻智紀は57周目に1コーナーまでに12号車を抜いて2番手に浮上する。
しかしトップのバトンは10秒以上先行し、この時点で独走体制を築き上げていた。
チェッカーに向けて盤石な走りを見せるかと思われた57周目、GT300クラスのマシンと最終コーナーで絡み、アウトから抜こうとラインを変えた矢先にマシンは汚れた路面によりグリップを失い、バトンはコースオフを喫してしまう。
タイヤバリアの餌食こそ免れたが、2番手との差を詰められてしまった。
さらに67周目、SPコーナーでGT300クラス同士の接触により、セーフティカーが導入される。
これでビハインドを完全に失ったトップのバトンが苦しい展開になるかと思われたが、75周目にレースが再開されると抜群のリスタートを見せ、再び2位以下を突き放しにかかる。
8号車 野尻も必死に喰らいついて行くが、77周目にターン4で1号車 KeePer TOM’S LC500が、80周目に最終コーナーで64号車 Epson Modulo NSX-GT ベルトラン・バケットが次々とコースオフして戦線離脱する。
この影響でコース各所で振られるイエローフラッグはバトン有利に働き、詰め寄る8号車を最後まで抑えて81周のレースをトップでチェッカーを果たした。
バトンはシリーズ初優勝。山本も3年ぶりの勝利で、チームクニミツは8回目の優勝を飾った。シリーズランキングもトップに立った。
2位には8号車 ARTA NSX-GT 伊沢拓也/野尻智紀が続いた。今レースではNSX-GT勢にはプラス10kgのウェイトハンデを課されたが、それを跳ね返す見事な走りでホンダ勢ワンツーフィニッシュを飾った。
3位には12号車 カルソニックカルソニック IMPUL GT-R 佐々木大樹/ヤン・マーデンボローが続いた。持ち込みのタイヤがなかなか機能せずに苦しんだが、しっかりと3位フィニッシュを獲得した。
次戦第7戦は10月20-21日、大分県・オートポリスで開催される。