2019年シリーズ開幕戦の決勝レースが4月14日、岡山県・岡山国際サーキットで開催された。
雨に翻弄された決勝レースではクラッシュが多数発生、2度の赤旗中断を挟んでレースの中止が発表された。
GT500クラスでは、波乱の同士討ちなどにより、それでもコース上にマシンをとどめた8号車 ARTA NSX-GT 野尻智紀/伊沢拓也が繰り上がりでトップフィニッシュとなった。
なお、レースは75%の周回数をクリアできずに終了したため、チームにはハーフポイントが授与された。
昼ころから強く降り始めた雨は、レースが始まる頃にも次第に強くなり、セーフティカー先導でレースが始まる。
しばらく様子見がされたが、3周目のバックストレートでセーフティカーのライトが消えると、4周目にレーススタート。
GT500クラスでは、スタートこそポールポジションの23号車 MOTUL AUTECH GT-R ロニー・クインタレッリ、12号車 カルソニック IMPUL GT-R 佐々木大樹が順位を守ったが、1号車 RAYBRIG NSX-GT 山本直樹が12号車に襲いかかると、バックストレートエンドで12号車のインを突いて2位に浮上。
17号車 KEIHIN NSX-GT 塚越広大もこれに続き、早々に12号車をパスして3位に浮上する。
しかしこの直後、GT300クラスの多重クラッシュによってセーフティカーが再度コースイン。
マシンの撤去とコースのメンテナンスを行い、11周目にレースは再スタートする。
再開直後の11周目、1コーナーで早くも1号車が23号車をアウトからパスすると、簡単にトップに浮上。
17号車もこれに続き、ホームストレートエンドで23号車をパスすると、トップ1-2は23号車を突き放し、13周目までに最大6秒もの大差を付けて突き放しにかかる。
さらに5番手からスタートした8号車 ARTA NSX-GT 伊沢拓也も日産勢の2台に次々に襲いかかり、23号車をパスすると、12号車にもアタック開始。
しかしこのタイミングでモスエスでGT300クラスの多重クラッシュが再度発生。
セーフティカーがコースに入り、結局この日2度めの赤旗によってレースは中断する。
コンディションが難しく変化するシチュエーションとあって、レースは先行きの見えない混沌とした状態に陥るが、回復の兆しが見えたタイミングでレースはセーフティカー先導にて15周目から再開する。
この間、タイヤを暖めるべく各車はウィービングするが、37号車 KeePer TOM’S ニック・キャシディがスピンを喫し、500クラス最後尾まで下がるトラブルも発生。
20周目までレースはセーフティカー先導で進むが、この周でライトが消えると、21周目にレースは再開。
やはり1号車と17号車はバトルをしながらも3位の23号車を突き放してビハインドを築くと、バックストレートエンドで8号車が23号車をパス、3位に浮上し、トップ1-2-3位をNSX-GTが占め、ホンダ勢の独壇場となる。
しかしサーキットに震撼が走ったのが24周目に入った矢先の1コーナーだった。
トップをゆく1号車に対してブレーキが遅れた17号車が接触し、この影響で1号車はコースオフ、グラベルにマシンを止めてしまう。
17号車はコースにとどまったものの、1号車の撤去でセーフティカーが導入される。
しかし32周目にこの日2度めの赤旗が提示されてホームストレートにマシンを停車すると、監督ミーティングを経てレースは繰り上げで終了が告げられた。
この結果、2周以上75%未満でのレース終了ということでハーフポイントが付与されることとなった。
気になる17号車だが、ペナルティが加算され、一気に14位まで後退。追突された1号車も15位に後退し、この結果、8号車が繰り上げて今季初戦を制した。
苦しんだ日産勢だったが、ホンダ勢の同士討ちによって順位は繰り上がり、23号車が2位表彰台を獲得。
さらに12号車も3位に、4位に3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R 平手晃平/フレデリック・マコヴィッキが、5位にも24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R 高星明誠/ヤン・マーデンボロー入るなど、終わってみればトップ5中4台をGT-Rが占めるレースとなった。
なお、レクサス勢では19号車が10番手スタートから6位に入った。
非常に荒れ模様なレースとなり、まだまだ各陣営の真の強さが発揮されないままに終わってしまった2019年シリーズ開幕戦ではあったが、次戦は5月3-4日に、静岡県・富士スピードウェイで第2戦が500kmの長丁場で開催される。
レースハイライトは以下の通り
その他の結果は以下の通り
■編集中
写真提供:正木寛之