写真提供:正木寛之 文:池田正行
2018 スーパーフォーミュラ第6戦の決勝レースが9月9日、岡山県・岡山国際サーキットで開催された。
秋雨前線や湿った空気の影響で強い雨が降りしきるコンディションの中、コースはフルウェット。決勝レースはセーフティカー先導でスタートした。
しかし雨脚が弱まることはなく、容赦なくコースを濡らし続け、7周を走ったところで赤旗が提示される。
マシンは再びグリッドに戻ってしまう。
その後も降りしきる雨は止むことはなかったが、徐々に弱まる雨脚に、中断から50分以上が経過した16時10分にレース再開がアナウンスされた。
再びセーフティカー先導で8周目に入った隊列は、12周目にセーフティカーがピットに戻ると、ポストにはグリーンフラッグが提示されてレース開始。
2番手を走る18号車 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)は、積極的にオーバーテイクボタンを使いながらトップの19号車 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)を追いかけ回し、マイクナイトで関口と接触しながらもトップに立った。
小林は関口に最大7秒以上の差をつけて快走したが、22周めの7号車 トム・ディルマン(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)と15 福住仁嶺(TEAM MUGEN)が最終コーナーで接触し、コース上にデブリが残る。
この影響で3度めのセーフティカーが導入され、小林は関口との差をなくしてしまう。
レースは27周目から再開すると、小林は関口との差を再び広げ始める。
初優勝に向けて快走するかと思われた矢先、ダブルヘアピン1つ目でコースオフした小林は、関口に前に出られたものの、3位を走っていた20号車 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)を抑え、2位でコースに復帰。
これで再びトップに立った関口は、後方から再び激しくプッシュしてくる小林を抑えながらレースを展開。
しかし31周目、タイムキャップ残り5分で福住仁嶺がスピンを喫し、コース上にマシンが止まってしまう。
この影響で4度目のセーフティカーが導入される。
マシンを撤去する作業が続けられたが、タイムキャップが設定されたレースでは作業が間に合わず、19号車 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が今季初優勝を飾った。
2位には18号車 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)が入った。
自身の初優勝に向けて絶好のチャンスを作り上げたが、ひとつのミスで残念な2位フィニッシュとなった。
3位には20号車平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が続き、選手権ポイントを上積みして最終戦の鈴鹿での巻き返しに首の皮一枚繋がった。
規定に則り、レース距離が規定の75%に達していないため、選手権ポイントは通常の半分が与えられる。
選手権トップをゆく3号車 ニック・キャシディ(KONDO RACING)は5番手でフィニッシュし、ハーフポイントの2ポイントを得て合計29ポイントに上積みした。
スーパーフォーミュラ参戦2年目のキャシディは、最終戦を前にチャンピオン獲得に王手をかけた。
1号車 石浦宏明(P.MU/CERUMO?INGING)は7位でフィニッシュし、ハーフポイントの1ポイントを追加。
選手権2位に浮上した。
16号車 山本直樹(TEAM MUGEN)は精彩を欠き、予選から順位をひとつ落とした10番手でフィニッシュ。選手権3位に転落した。
■その他の結果は以下の通り
2018-09-09
WEATHER:Rain COURSE:Wet
Po. | No. | Driver | Car Name / Engine | Laps | Total Time | Delay | Best Time |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 19 | 関口 雄飛 Yuhi Sekiguchi | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 34 | 2h08’20.682 | 1’29.558 | |
2 | 18 | 小林 可夢偉 Kamui Kobayashi | KCMG Elyse SF14 TOYOTA RI4A | 34 | 2h08’21.501 | 0.819 | 1’29.507 |
3 | 20 | 平川 亮 Ryo Hirakawa | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 34 | 2h08’23.572 | 2.890 | 1’29.750 |
4 | 5 | 野尻 智紀 Tomoki Nojiri | DOCOMO DANDELION M5S SF14 Honda HR-417E | 34 | 2h08’24.680 | 3.998 | 1’30.359 |
5 | 3 | ニック・キャシディ Nick Cassidy | ORIENTALBIO KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 34 | 2h08’25.514 | 4.832 | 1’30.723 |
6 | 4 | 山下 健太 Kenta Yamashita | ORIENTALBIO KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 34 | 2h08’27.537 | 6.855 | 1’30.933 |
7 | 1 | 石浦 宏明 Hiroaki Ishiura | JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14 TOYOTA RI4A | 34 | 2h08’28.690 | 8.008 | 1’31.142 |
8 | 2 | 国本 雄資 Yuji Kunimoto | JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14 TOYOTA RI4A | 34 | 2h08’29.906 | 9.224 | 1’31.108 |
9 | 6 | 松下 信治 Nobuharu Matsushita | DOCOMO DANDELION M6Y SF14 Honda HR-417E | 34 | 2h08’31.031 | 10.349 | 1’31.814 |
10 | 16 | 山本 尚貴 Naoki Yamamoto | TEAM MUGEN SF14 Honda HR-417E | 34 | 2h08’32.422 | 11.740 | 1’32.316 |
11 | 37 | ジェームス・ロシター James Rossiter | VANTELIN KOWA TOM’S SF14 TOYOTA RI4A | 34 | 2h08’32.900 | 12.218 | 1’32.137 |
12 | 17 | 塚越 広大 Koudai Tsukakoshi | REAL SF14 Honda HR-417E | 34 | 2h08’37.066 | 16.384 | 1’31.858 |
13 | 64 | ナレイン・カーティケヤン Narain Karthikeyan | TCS NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-417E | 34 | 2h08’38.358 | 17.676 | 1’31.878 |
14 | 65 | 伊沢 拓也 Takuya Izawa | TCS NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-417E | 34 | 2h08’40.776 | 20.094 | 1’31.454 |
15 | 50 | 千代 勝正 Katsumasa Chiyo | B-Max Racing SF14 Honda HR-417E | 34 | 2h08’41.934 | 21.252 | 1’33.032 |
16 | 8 | 大嶋 和也 Kazuya Oshima | UOMO SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 34 | 2h08’44.071 | 23.389 | 1’31.858 |
17 | 36 | 中嶋 一貴 Kazuki Nakajima | VANTELIN KOWA TOM’S SF14 TOYOTA RI4A | 34 | 2h09’04.375 | 43.693 | 1’31.866 |
18 | 15 | 福住 仁嶺 Nirei Fukuzumi | TEAM MUGEN SF14 Honda HR-417E | 30 | 1h59’35.523 | 4 Laps | 1’30.356 |
以上完走 | |||||||
19 | 7 | トム・ディルマン Tom Dillmann | UOMO SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 21 | 1h42’21.422 | 13 Laps | 1’31.170 |
車両:SF14 / タイヤ:ヨコハマ
本決勝レースは、SCスタートとした。(1~7周回まで)
本決勝レースは、開始18分37秒時点で赤旗提示。残り48周(51分23秒)SCスタートで再開した。(8~11周回まで)(赤旗中断 15:13~16:10)
本決勝レースは、SC導入した。(23~26周まで)(32~34周まで)
参加台数:19台 出走台数:19台
ベストラップ:18 小林 可夢偉/Kamui Kobayashi 1’29.507 14/34 148.936km/h
●ゼッケンNo.7は、2018スーパーフォーミュラ選手権 統一規則 第15条1.(危険なドライブ行為)により、訓戒とする。(16:55)
▲ゼッケンNo.36は、2018スーパーフォーミュラ選手権 統一規則 第15条1.(危険なドライブ行為)により、決勝結果に30秒を加算する。(17:38)
■レースダイジェストは以下の通り
次戦は9月8-9日に、選手権最終戦が三重県・鈴鹿サーキットで開催される。