2018 スーパーGT開幕戦 決勝レースが4月8日、岡山県美作市・岡山国際サーキットで開催された。
GT500クラスは#17 KEIHN NSX-GT 塚越広大/小暮卓史組がポール・トゥ・ウィンで総合優勝した。
チームは2010年以来の総合優勝だった。
朝は小雪が舞う低い気温で始まった日曜日だったが、午後の決勝レースには太陽も現れ、12度に上昇した。
ポールポジションからスタートした#17 KEIHN NSX-GT 小暮卓史は、レース序盤では2位に大きな差を作ることに成功するも、41周目にピット作業を済ませると、#100 RAYBRIG NSX-GT 山本尚貴に先行を許してしまう。
#100は決勝を5番手スタートしたものの、スタートの混乱にジェンソン・バトンが一時8位にまで落ちていたが、ピットに入るとタイヤ無交換で山本にマシンを託し、一気に順位を回復した。
ジェンソン・バトンはタイヤを温存すべく、周回ペースを大きく落とすこと無く我慢のレース展開をしていたのだ。
塚越は、後方から迫る昨年のチャンピオン#1 KeePer TOM’S 平川亮から逃げるべく、前をゆく山本を43周目にパスすると、その後は2位以下を引き離すことに成功する。
このまま順調に周回を重ね、あとはゴールまで無事にマシンを運ぶだけとなった塚越だったが、残り10周で驚きの光景が飛び込んできた。
下位のマシン同士が接触した影響で脱落したパーツが、あわやラジエータを突き破る寸前の位置に突き刺さる。
徐々に間隔を詰める2位のRAYBRIGだったが、「ピットからは何も知らされていなかった」と語った塚越は、このパーツの影響を大きく受けること無くマシンをチェッカーまで運ぶことに成功し、見事にポール・トゥ・ウィンを達成した。
2位には#100 RAYBRIG NSX-GT 山本尚貴/ジェンソン・バトン組が入った。
今シーズンからのフル参戦したバトンだったが、不慣れな隊列からのローリングスタートでは8位にまで後退してしまう。しかしその後はタイヤをマネジメントしながら安定したペースで走り、セカンドスティントを担当する山本にマシンを託す際は、タイヤ無交換でのピットアウトを可能にするタイヤマネジメントを見せ、その順応ぶりの高さを示した。
最後の最後までKEIHINにプレッシャーを与え続けて1.6秒差まで詰め寄ったRAYBRIGだったが、最後に一歩及ばず、2位フィニッシュとなった。
3位には昨年のチャンピオン#1 KeePer TOM’S ニック・キャシディ/平川亮組が入った。
前日の予選で9番手と振るわずに下位からのスタートになったしまったが、レース序盤から徐々に上位に食らいつき、38周目には首位をゆくKEIHINをバックストレートエンドでインを差し、トップに浮上する。
しかしピット作業をこなして平川亮がコースに戻ると、KEIHINどころかタイヤ無交換をとったRAYBRIGにも先行を許す苦しい展開に。
岡山国際サーキットを得意とする平川だったが、上位との差を詰めることは出来ず、3位表彰台となった。
気になる日産勢だったが、#23 MOTUL AUTECH GT-R、#24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rの2台はジャンプスタートのジャッジによりドライブスルーを課されたものの、レースが終わってみればそれぞれ5番手、6番手でレースを終えたことは、今後のシーズンが激化するであろう象徴的な出来事だった。
その他の結果は以下の通り
Po | No | Machine | Driver | Laps | Best Lap | Diff.(km/h) | Tire | WH |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 17 | KEIHIN NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | 塚越 広大 小暮 卓史 | 82 | 1’19.710 | 1:55’14.381 | ||
2 | 100 | RAYBRIG NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | 山本 尚貴 ジェンソン・バトン | 82 | 1’21.071 | 1.610 | ||
3 | 1 | KeePer TOM’S LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 平川 亮 ニック・キャシディ | 82 | 1’21.071 | 5.582 | ||
4 | 6 | WAKO’S 4CR LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 大嶋 和也 F.ローゼンクヴィスト | 82 | 1’20.684 | 5.759 | ||
5 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | 松田 次生 ロニー・クインタレッリ | 82 | 1’20.515 | 36.990 | ||
6 | 24 | フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | J.P.デ・オリベイラ 高星 明誠 | 82 | 1’20.652 | 48.375 | ||
7 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | 本山 哲 千代 勝正 | 82 | 1’21.002 | 59.362 | ||
8 | 38 | ZENT CERUMO LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 立川 祐路 石浦 宏明 | 82 | 1’20.930 | 1’00.357 | ||
9 | 19 | WedsSport ADVAN LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 国本 雄資 山下 健太 | 82 | 1’20.409 | 1’05.532 | ||
10 | 16 | MOTUL MUGEN NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | 武藤 英紀 中嶋 大祐 | 82 | 1’21.714 | 1’06.532 | ||
11 | 8 | ARTA NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | 野尻 智紀 伊沢 拓也 | 82 | 1’20.938 | 1’07.199 | ||
12 | 39 | DENSO KOBELCO SARD LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | ヘイキ・コバライネン 小林 可夢偉 | 82 | 1’21.657 | 1’10.110 | ||
13 | 36 | au TOM’S LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 中嶋 一貴 関口 雄飛 | 82 | 1’21.618 | 1’11.410 | ||
14 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | 佐々木 大樹 ヤン・マーデンボロー | 82 | 1’21.435 | 1’11.838 | ||
15 | 64 | Epson Modulo NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | ベルトラン・バゲット 松浦 孝亮 | 81 | 1’21.401 | 1 Lap |
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スーパーGT第2戦は5月3-4日、静岡県・富士スピードウェイにて開催される。
ゴールデンウィーク真っ最中にシーズン屈指の入場者数を数える第2戦は、バーベキューやキャンプに興じることもでき、例年ビジターに人気の大会となる。