2017 全日本スーパーフォーミュラ選手権の第5戦が9月10日、大分県・オートポリスで決勝レースが開催された。
大分では昨年発生した熊本地震の影響から2年ぶりの開催となった決勝レースでは、予選5番手の#15 TEAM MUGEN ピエール・ガスリーが、スタート直前に予選トップ10で唯一となるソフトタイヤをチョイス。
これが功を奏してロケットスタートを果たし、ポールポジションからスタートした#40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 野尻智紀の背後に迫り2位に浮上。
レース序盤を野尻の後方で過ごしてトップ浮上を伺うが、その機会がなかなか訪れないことから、ガスリーは23周目にピットイン。
大事なところで無限は、12.4秒という素晴らしいピット作業でコースに復帰させると、ガスリーはミディアムタイヤで見えない敵と戦う展開に。
野尻は戦略の狭さから、ガスリーの戦略に即座に反応することは出来ないようで、15周以上遅れた39周目でピットインを敢行。
作業を済ませてコースに復帰したときには、ガスリーが余裕で1コーナーをパスするころだった。
野尻の悪循環はこれに留まらず、下位にいた#1 P,MU/CERUMO INGING 国本雄資が野尻の目前でピットアウトすると、#18 KCMG 小林可夢偉とバトルしていた野尻は、1コーナーでブレーキをロックさせて小林に追突。
フロントウィングを失うミスを犯して再度ピットイン、下位に沈んでしまう。
ガスリーはこれで俄然優位にレースを進め、下位との差をコントロールしながらレースを支配し、そのままトップチェッカーを果たした。
ガスリーは前戦もてぎから連続優勝し、シリーズランキングも2位に浮上した。
トラブルに泣いた野尻に代わって2位に浮上したのは予選10番手スタートの#7 SUNOCO TEAM LEMANS フェリックス・ローゼンクヴィスト。さらに3位には予選15番手スタートの#8 SUNOCO TEAM LEMANS 大嶋和也だった。
LEMANSの2人は、5周目にローゼンクヴィストが、6周目に大嶋がピットインを済ませ、両者ともにソフトタイヤに交換。
その後も一発の速さはないものの、1分33秒台でレースを続けると、39周目にはローゼンクヴィストが2位に、大嶋が3位に浮上する。
ソフトタイヤに交換して35周以上が経過し、誰もがル・マンは2ストップ作戦だろうと予想するなか、軽快にラップを重ねて50周目を超えても2人はコース上に留まり続けた。
背後から4位の石浦宏明や国本、中嶋一貴がバトルを展開するが、石浦は大嶋との差を埋めることは出来ず4位を守るのが精一杯な状況。
この結果、2スティント目を大いに引っ張ったローゼンクヴィストが2位を獲得した。
3位にはローゼンクビストのチームメイトである大嶋が、2012年ぶりとなる表彰台を獲得した。
前戦に引き続き投入されたソフトタイヤによって、より複雑化したスーパーフォーミュラのストラテジーを、今季からチーム ル・マンの監督に就任した片岡龍也は見事な采配で、チームを2-3位フィニッシュに導いた。
予選が10位、15位という位置からでも戦略によっては表彰台を獲得することが可能となったスーパーフォーミュラも架橋を迎え、チャンピオンシップもトップの石裏に2位にガスリーが5.5ポイント差、3位にローゼンクヴィストが6ポイント差に詰め寄る接戦となっている。
【追記】決勝レースダイジェストはこちら
次戦第6戦は9月23-24日、宮城県・スポーツランドSUGOで開催される。