スーパーフォーミュラ第3戦富士スピードウェイ決勝、石浦が逆転優勝を果たす!12番手スタートのロッテラーも3位表彰台獲得

2017 スーパーフォーミュラ第3線が7月9日、静岡県・富士スピードウェイで決勝レースを迎えた。
予選日に続いて決勝日も快晴に恵まれ、多くの観客がサーキットに集まった。

スタート

photograph HIRO Masaki

気温32度、路面温度44という酷暑の中で繰り広げられた決勝レースでは、ポールポジションからスタートした#1 P.MU/CERUMO・INGING 国本雄資が、2位以下を大きく引き離してトップを守ったまま31周を走ったところでピットイン。給油とタイヤ4本を交換してピットアウトする。

国本雄資

photograph Takashi Arisaka

しかしピットアウト後に右フロントサスペンションにトラブルが発生してスローダウン。
再度ピットインし、対応した上で再スタートを切るもトラブルは改善せず、ピット作業を繰り返してレースから脱落。最期はガレージに入れてしまい、そのままリタイヤとなってしまった。

国本に変わってトップに立ったのは、チームメイトで2番手グリッドからスタートした#2 P.MU/CERUMO・INGING 石浦宏明だった。

石浦宏明

photograph HIRO Masaki

石浦はスタートで後続の#19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 関口雄飛と#37 VANTELIN TEAM TOMS 中嶋一貴に先行を許して4位まで後退したが、#36 VANTELIN TEAM TOMS アンドレ・ロッテラーが9周目にピットインすると、その後に快調なペースを重ねたロッテラーを見て中嶋一貴や関口がこれに反応。
ピットインした選手の中では関口が先頭に立つが、関口のペースが鈍く、これに中嶋一貴やロッテラーが巻き込まれてしまい、トップから徐々に離されてしまう。
スポンサーリンク

この結果、前がひらけてくリーランエアを得た石浦は、トップをゆく国本とのギャップを徐々に詰めていき、ピット作業でもタイヤを4本交換するマージンを下位との間に作り上げ、国本を猛追する準備が整う。しかし国本は31周目のピットインで右フロントに抱えたトラブルによって脱落。

チームメイトのトラブルに見舞われるという複雑な思いをいだきつつ、石浦が1時間20分9秒046でトップチェッカーを受け、さらにポイントリーダーに躍り出た。

IMG_0419

photograph Takashi Arisaka

このように荒れるレース展開でも、冷静な判断を続けたのが10番手スタートのルーキー、#7 SUNOCO TEAM LEMANS フェリックス・ローゼンクヴィストだった。
上位陣が次々とピットインをする中、ローゼンクヴィストはコース上にステイし、ペースの上がらないピット組をよそに快調にペースを安定させて2位に立つと、大幅に遅らせたピットインは37周目。

給油とリアタイヤ2本の交換でコースに復帰し、2位に立つことに成功。

そのままチェッカーを受けて、参戦3戦目にして初の表彰台をもぎ取った。

ローゼンクヴィスト

photograph HIRO Masaki

3位に入ったのは、12番手スタートの#36 VANTELIN TEAM TOMS アンドレ・ロッテラーだった。

IMG_0382

photograph Takashi Arisaka

前日の予選では小林可夢偉のスピンによる赤旗中断でタイムを出せなかったロッテラーは、スタートから5つ順位を上げるロケットスタートを決めると、9周目に他車に先駆けていち早くピットイン。その後はペースが上がらない関口雄飛の後塵を拝し、巧みなブロックを前に悪戦苦闘するが、36周目に関口を1コーナーでパスすることに成功。

タイヤ無交換のロッテラーがリア2本交換のローゼンクヴィストに迫ることは叶わなかったが、レース中に9位もの順位を上げて3位表彰台を奪い取った。

ロッテラー

photograph HIRO Masaki

4番手争いは熾烈を極め、関口雄飛が後続のガスリーや伊沢、中嶋一貴、ヤン・マーデンボローに押されながらも順位を守りきってフィニッシュした。

毎年のシリーズの中でも屈指のバトルを生む富士スピードウェイでの一戦は、山本直樹や山下健太、日供・キャシディ、小林可夢偉など不運に見舞われる厳しいレース展開や、アンドレ・ロッテラーの見事なオーバーテイクなど、見どころの多い激しいバトルが繰り広げられた。

 

その他の結果は以下の通り

Po.No.DriverCar Name / EngineLapsTimeDelayBestTime
車両:SF14 / タイヤ:ヨコハマ
12石浦 宏明Hiroaki IshiuraP.MU/CERUMO・INGING SF14TOYOTA RI4A551:20’09.046187.642km/h1’25.663
27フェリックス・ローゼンクヴィストFelix RosenqvistSUNOCO TEAM LEMANS SF14TOYOTA RI4A551:20’16.3157.2691’25.581
336アンドレ・ロッテラーAndre LottererVANTELIN KOWA TOM’S SF14TOYOTA RI4A551:20’31.88822.8421’26.156
419関口 雄飛Yuhi SekiguchiITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14TOYOTA RI4A551:20’50.83241.7861’26.625
515ピエール・ガスリーPierre GaslyTEAM MUGEN SF14Honda HR-417E551:20’50.86741.8211’26.252
641伊沢 拓也Takuya IzawaDOCOMO DANDELION M41Y SF14Honda HR-417E551:20’52.43043.3841’26.481
737中嶋 一貴Kazuki NakajimaVANTELIN KOWA TOM’S SF14TOYOTA RI4A551:20’53.11344.0671’26.737
820ヤン・マーデンボローJann MardenboroughITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14TOYOTA RI4A551:20’53.40744.3611’26.552
910塚越 広大Koudai TsukakoshiREAL SF14Honda HR-417E551:20’53.95644.9101’26.790
1040野尻 智紀Tomoki NojiriDOCOMO DANDELION M40S SF14Honda HR-417E551:20’55.23846.1921’26.843
1164中嶋 大祐Daisuke NakajimaTCS NAKAJIMA RACING SF14Honda HR-417E551:21’12.8931’03.8471’26.949
128大嶋 和也Kazuya OshimaSUNOCO TEAM LEMANS SF14TOYOTA RI4A551:21’13.5951’04.5491’26.735
1350小暮 卓史Takashi KogureB-Max Racing team SF14Honda HR-417E551:21’15.5631’06.5171’26.755
1465ナレイン・カーティケヤンNarain KarthikeyanTCS NAKAJIMA RACING SF14Honda HR-417E551:21’23.5511’14.5051’26.824
1518小林 可夢偉Kamui KobayashiKCMG Elyse SF14TOYOTA RI4A551:21’30.2201’21.1741’26.308
以上完走(規定周回数 49Laps)
4山下 健太Kenta YamashitaFUJI×raffinee KONDO SF14TOYOTA RI4A461:08’46.1439Laps1’26.669
1国本 雄資Yuji KunimotoP.MU/CERUMO・INGING SF14TOYOTA RI4A3656’07.88919Laps1’26.093
16山本 尚貴Naoki YamamotoTEAM MUGEN SF14Honda HR-417E2538’52.62530Laps1’26.455
3ニック・キャシディNick CassidyFUJI×raffinee KONDO SF14TOYOTA RI4A11’35.16054Laps

 

決勝レースサマリーは以下の通り

【7月10日追記】決勝後記者会見の模様はこちら

次戦 スーパーフォーミュラ第4戦は8月19-20日、ツインリンクもてぎで開催される。

もてぎではスーパーフォーミュラ タイヤサプライヤーのヨコハマタイヤより2スペックタイヤが投入されるなど、より戦略的なレースが展開されると予想されている。