2018 スーパーフォーミュラ開幕戦が4月21日、三重県・鈴鹿サーキットで開幕し、公式予選が開催された。
赤旗中断のトラブルが起きるなどした公式予選では、鈴鹿を得意とするTEAM MUGEN 山本尚樹が自身9度目のポールポジションを獲得。
さらに今季から参戦した同僚の福住仁嶺も予選2位につけ、TEAM MUGENのフロントロー独占、ホンダ勢はトップ5独占の勢いで今季の開幕を迎えた。
All Photograph 正木寛之
本州を広く高気圧が覆い、快晴に恵まれた鈴鹿サーキットは、気温23度、路面温度33度といったコンディションでスーパーフォーミュラ開幕戦を迎えた。
Q1では、序盤に#6 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 松下信治が1分37秒619でトップに立つと、#16 TEAM MUGEN 山本尚貴も食らいついてゆく。
残り7分で各車改めてコースインすると、山本が1分37秒518で松下のタイムを更新したのも束の間、直後に松下は自身のタイムを1分37秒255に押し上げてトップを奪い返す。
さらに#15 TEAM MUGEN 福住仁嶺が3番手に滑り込むなど、ホンダ勢はQ1でトップ6を独占する結果となった。
#4 KONDO RACING 山下健太がトヨタ勢最高位の7位でQ1を通過した一方、#34 KONDO RACING ニック・キャシディはQ1敗退するなど、全体的に苦しい立ち上がりをみせた。
Q2で松下が餌食に!?
続くQ2でもホンダ勢の勢いは止まらない。
#5 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 野尻智紀が1分36秒960で、唯一36秒台のタイムを出すと、このタイムを更新すべく各車アタックラップを続ける。
TEAM MUGENの2台も37秒台前半で続くが、残り25秒で#20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 平川亮がデグナーでコースオフを喫し、セッションは赤旗で中断してしまう。
各車がチェッカーに向けて最後のアタックラップを走っていたタイミングでの赤旗により、その周のタイムは抹消される結果に。
Q1を圧倒的なタイムで制した松下も、この赤旗の餌食となったドライバーの1人だ。
アタックラップでセクター3を走行中に赤旗が提示されてしまい、そこまでに出していたタイムが記録されなかった上、ソフトタイヤのピークは過ぎてしまっていた。
セッションは残り3分で再開されたが、2本めのソフトタイヤをQ2で投入してきた各陣営を前にタイムを更新することは出来ず、Q2敗退が決まった。
これとは対象的に、赤旗前にタイムを出していたTEAM MUGENの2台はニュータイヤを装着してピットでウェイティングすると、セッションの行方を見守る形でタイヤを温存した。
結局Q2では、タイムを出せなかった#2 P.MU/CERUMO・INGING 国本雄資を始め、山下、#18 carrozzeria Team KCMG 小林可夢偉、#19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 関口雄飛といった実力者もノックアウトされるという波乱の結果になった。
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最後の予選セッションとなるQ3では、ニュータイヤが温存できたTEAM MUGENの2人、そして野尻智紀に有利な展開に。
野尻は最初にトップタイムを計測したものの、続く福住に更新され、更に後方を走っていた#16 TEAM MUGEN 山本尚樹が福住のタイムを100分の8秒上回る1分36秒911でセッション終了のチェッカーを受けると、自身9度目のポールポジションを確定させた。
タイヤへの理解が進まない各陣営であったが、山本もその一人だった。「今日はちょっとだけ運が良かった」と語った山本は、「凄く難しくて、頭を使った。無限が1-2位を獲れたのは良かったし、ホンダも1-5位グリッドを独占できた。大事なのは決勝なので、明日は願わくばチームで1-2フィニッシュ、できれば僕が前で結果を出したい」と、明日への意気込みを語った。
2位には山本のチームメイトの福住が入った。
海外での経験が豊富な福住は、ベテランがしのぎを削るスーパーフォーミュラにあって、順応性の高さをしっかりと見せつける結果を残し、新加入のチームにフロントロー独占をもたらした。
3番手グリッドには、同じくタイヤが温存できた野尻が続き、ホンダ勢が上位を独占する予選結果を残した。
一方トヨタ勢では、6番手に昨年のチャンピオン、#1 P.MU/CERUMO INGING 石浦宏明が最上位で、以降#36 VANTELIN TEAM TOM’S 中嶋一貴、そしてQ2でのコースオフによりQ3セッションにはタイムを出せなかった平川亮が続いた。
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明日の決勝レースは13時50分からスタートする。
日曜日も快晴に恵まれる予報が出ているが、2スペックタイヤの導入により様々なオプションが用意されたストラテジーを前に、各ドライバーは難しい選択を迫られることになりそうだ。