2018 スーパーフォーミュラ開幕戦の決勝レースが4月22日、三重県・鈴鹿サーキットで開催された。
ポールポジションからスタートした#16 TEAM MUGEN 山本尚貴がトップを守りきり、2年ぶりにポール・トゥ・ウィンを達成して開幕戦を制した。
All Photograph 正木寛之
初夏を思わせる気温で迎えた決勝レースでは、トップ6はミディアムタイヤを、それ以下のチームはソフトタイヤをチョイスしてレースはスタートした。
レース序盤では、#17 REAL RACING 塚越広大が今回も躍動する。
5番手からのスタートでは2つポジションを上げ、さらに3周目にも2位を行く#15 TEAM MUGEN 福住仁嶺をも1コーナーのアウトからパス。
そのまま先頭を行く山本に迫るが、前半に酷使したタイヤのマネジメントに苦労し、塚越はペースを上げられない状況に。
そんななか、レース中盤にはピット作業を行うチームが出てくるが、チームインパルは新たに導入したオートジャッキアップの恩恵によって、ピットストップタイムの短縮に成功。
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この恩恵を大きく受けたのが#19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 関口雄飛だ。
関口は予選14番手と下位スタートながら1ストップ作戦を採用し、ピット作業では2番手ほどの順位を上げる。2スティント目のミディアムタイヤとの相性が良かったのか、ライバル陣営が2ストップ作戦を取る中、関口はラップごとに順位を上げていく走りを見せ、気づけば38周目には2位にまで浮上する。
徐々にラップタイムが落ちていく山本とは対象的に、ペースを保ち続けた関口はレース終盤に山本を追い立てる。
しかし残り3周からペースを取り戻した山本は冷静にタイヤをマネジメントし、それ以上には関口の接近を許さずにマシンをチェッカーに運ぶことに成功。
自身2年ぶりのポール・トゥ・ウィンでスーパーフォーミュラ開幕戦を制した。
これまで鈴鹿を得意としていなかった関口は、2度ある鈴鹿ラウンドへの対策をしっかりと行い、昨年までとは一味違った走りを見せていた。
目立たずとも着実に順位を上げていったのは、前をゆくマシンがピットインによってクリアラップが確保されてから。中継画面に投影されることはほとんどなかったものの、その走りは確実に上位陣に食い込んでゆく気迫の走りだった。
しかしトップを行く山本を攻略することは叶わず、2位表彰台となった。
ピットアウト後のアウトラップで同僚の#20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 平川亮との接触などがあったものの、今季も台風の目となることを予感させる走りを見せた。
3番手スタートした#5 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 野尻智紀は、スタートを大失敗して7位にまで順位を後退させてしまったが、粘りの走りを見せてレース終盤に入る38周目には3位まで順位を復活させることに成功。
後に本人も「手応えを感じた」レースでは遭ったものの、スタートの失敗が大きく結果に出てしまったことに「とても悔しかった」レースになった。
レースダイジェストはこちら(4/23追記)
編集中その他の結果は以下の通り
WEATHER: Fine COURSE : Dry 国際レーシングコース 5.807Km | ||||||||
Pos. | No. | Driver | Team/Type | Laps | Total Time | Delay | Gap | Best |
1 | 16 | 山本 尚貴 Naoki Yamamoto | TEAM MUGEN SF14 Honda HR-417E | 51 | 1:29’25.365 | 198.71km/h | 1’42.678 | |
2 | 19 | 関口 雄飛 Yuhi Sekiguchi | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 TOYOTA R14A | 51 | 1:29’27.085 | 1.720 | 1.720 | 1’42.803 |
3 | 5 | 野尻 智紀 Tomoki Nojiri | DOCOMO DANDELION M5S SF14 Honda HR-417E | 51 | 1:29’39.082 | 13.717 | 11.997 | 1’43.197 |
4 | 1 | 石浦 宏明 Hiroaki Ishiura | JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14 TOYOTA R14A | 51 | 1:29’41.246 | 15.881 | 2.164 | 1’42.543 |
5 | 65 | 伊沢 拓也 Takuya Izawa | TCS NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-417E | 51 | 1:29’56.272 | 30.907 | 15.026 | 1’43.890 |
6 | 17 | 塚越 広大 Koudai Tsukakoshi | REAL SF14 Honda HR-417E | 51 | 1:29’56.650 | 31.285 | 0.378 | 1’42.360 |
7 | 3 | ニック・キャシディ Nick Cassidy | ORIENTALBIO KONDO SF14 TOYOTA R14A | 51 | 1:29’57.940 | 32.575 | 1.290 | 1’43.797 |
8 | 36 | 中嶋 一貴 Kazuki Nakajima | VANTELIN KOWA TOM’S SF14 TOYOTA R14A | 51 | 1:30’06.832 | 41.467 | 8.892 | 1’43.847 |
9 | 4 | 山下 健太 Kenta Yamashita | ORIENTALBIO KONDO SF14 TOYOTA R14A | 51 | 1:30’10.792 | 45.427 | 3.960 | 1’43.261 |
10 | 18 | 小林 可夢偉 Kamui Kobayashi | KCMG Elyse SF14 TOYOTA R14A | 51 | 1:30’12.987 | 47.622 | 2.195 | 1’44.204 |
11 | 37 | ジェームス・ロシター James Rossiter | VANTELIN KOWA TOM’S SF14 TOYOTA R14A | 51 | 1:30’14.725 | 49.360 | 1.738 | 1’42.235 |
12 | 6 | 松下 信治 Nobuharu Matsushita | DOCOMO DANDELION M6Y SF14 Honda HR-417E | 51 | 1:30’15.535 | 50.170 | 0.810 | 1’44.182 |
13 | 2 | 国本 雄資 Yuji Kunimoto | JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14 TOYOTA R14A | 51 | 1:30’35.845 | 1’10.480 | 20.310 | 1’43.992 |
14 | 50 | 千代 勝正 Katsumasa Chiyo | B-Max Racing SF14 Honda HR-417E | 51 | 1:30’38.552 | 1’13.187 | 2.707 | 1’44.408 |
15 | 8 | 大嶋 和也 Kazuya Oshima | UOMO SUNOCO SF14 TOYOTA R14A | 51 | 1:30’54.702 | 1’29.337 | 16.150 | 1’44.429 |
16 | 7 | ピエトロ・フィッティパルディ Pietro Fittipaldi | UOMO SUNOCO SF14 TOYOTA R14A | 50 | 1:30’57.304 | 1Lap | 1Lap | 1’44.944 |
17 | 64 | ナレイン・カーティケヤン Narain Karthikeyan | TCS NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-417E | 48 | 1:30’53.274 | 3Laps | 2Laps | 1’43.702 |
以上規定周回数完走 | ||||||||
– | 15 | 福住 仁嶺 Nirei Fukuzumi | TEAM MUGEN SF14 Honda HR-417E | 32 | 58’24.576 | 19Laps | 16Laps | 1’43.011 |
– | 20 | 平川 亮 Ryo Hirakawa | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 TOYOTA R14A | 24 | 42’41.258 | 27Laps | 8Laps | 1’43.578 |
次戦は大分県・オートポリスにて5月12日に公式予選、13日に決勝レースが開催される。