2018 スーパーGT第2戦の決勝レースが5月4日、静岡県・富士スピードウェイで開催された。
前日とは打って変わって快晴に恵まれた決勝レースでは、スタート直後にトップに立った#23 MOTUL AUTECH GT-R 松田次生/ロニー・クインタレッリが500kmの長丁場を制して今季初優勝を飾った。
All photograph 正木寛之
スタート直後、3番手スタートのロニー・クインタレッリは1コーナーまでに#6 WAKO’S 4CL 大嶋和也をパスすると、ポールポジションスタートの#38 ZENT CERUMO 立川祐路をアウトからパスしてトップに立つ。
その後は2位以下を引き離す走りを見せたが、思わぬ伏兵に追い詰められる。
#39 DENSO KOBELCO SARD ヘイキ・コバライネンは2周目にWAKO’Sを、4周目には#36 auTOMSを、さらに17周目にはZENTを抜き、ついに23周目にはクインタレッリを1コーナーで抜き去り、トップに立つことに成功。
コバライネンは38周でピット・インすると、マシンをチームメイトの坪井翔に託す。
坪井は、世界耐久選手権(WEC)出場により欠場したレギュラードライバー、小林可夢偉の代打として起用されたトヨタの若手ドライバーだ。
コバライネンと同時にピット・インしたクインタレッリも、ドライバーを松田次生にチェンジすると、今レースがGT500のデビュー戦となる坪井を追いかける。
しかし坪井はデビューとは思えない落ち着いた走りでラップを重ねると、後続の松田はギャップを詰めることが出来ないままにスティントが進行する。
大きなミスもなくトップを守り切ると、38周回をこなして76周目にピット・イン。
最終スティントをコバライネンに戻してマシンを降りる。
大きな仕事を果たした坪井だったが、続く77周目に松田がピットに入ると、NISMOチームは定評のピット作業でマシンをコースに復帰させると、クインタレッリはDENSOの前でコースに復帰する。
DENSOをピットに見送った松田の気迫のインラップ、NISMOチームのピット作業、そしてクインタレッリの抜群なアウトラップが相まって、トップに返り咲くことに成功した形だ。
1スティント目と同じくコバライネンの怒涛の追い上げがなされるかと思われた最終スティントだったが、その目論見を砕く快走を見せるクインタレッリは、最大12秒にまで2位との差を広げる力強い走りを見せる。
このままチェッカーまでマシンを運びきり、#23 MOTUL AUTECH GT-R 松田次生/ロニー・クインタレッリが今季初優勝を果たした。
なお、松田次生はスーパーGT勝利記録を20勝に伸ばした。
序盤に力強い走りで一時はトップを快走した#39 DENSO KOBELCO SARD LC500 ヘイキ・コバライネン/坪井翔だったが、最終スティントで前に出られたNISMOを追い上げることは叶わず、惜しくも2位チェッカーとなった。
とはいえ坪井翔の走りは絶賛され、次世代の若手育成が順調に進むLEXUSの勢いを感じさせるレースだった。
3位には#38 ZENT CERUMO LC500 立川祐路/石浦宏明が入った。
ポールポジションからスタートした立川だったが、上位陣の決勝レースのペースに付いていくことは叶わず、残念な結果となってしまった。
一方で、上位7台では5台のLEXUS勢が占める結果となり、今季のLEXUSの強さが垣間見えた一戦でもあった。
決勝レースダイジェストは以下の通り
その他の結果は以下の通り
※晴/ドライ(天候/コース)
Po | No | Machine | Driver | Laps | Best Lap | Diff.(km/h) | Tire | WH |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | 松田 次生 ロニー・クインタレッリ | 110 | 1’30.460 | 2:52’02.048 | 12 | |
2 | 39 | DENSO KOBELCO SARD LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | ヘイキ・コバライネン 坪井 翔 | 110 | 1’30.934 | 9.738 | ||
3 | 38 | ZENT CERUMO LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 立川 祐路 石浦 宏明 | 110 | 1’30.962 | 23.450 | 6 | |
4 | 36 | au TOM’S LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | ジェームス・ロシター 関口 雄飛 | 110 | 1’31.016 | 33.144 | ||
5 | 6 | WAKO’S 4CR LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 大嶋 和也 F.ローゼンクヴィスト | 110 | 1’31.316 | 35.326 | 16 | |
6 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | 佐々木 大樹 ヤン・マーデンボロー | 110 | 1’30.809 | 36.216 | ||
7 | 1 | KeePer TOM’S LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 平川 亮 ニック・キャシディ | 110 | 1’30.830 | 38.510 | 22 | |
8 | 8 | ARTA NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | 野尻 智紀 伊沢 拓也 | 110 | 1’30.675 | 1’02.192 | ||
9 | 100 | RAYBRIG NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | 山本 尚貴 ジェンソン・バトン | 110 | 1’30.540 | 1’17.582 | 30 | |
10 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | 本山 哲 千代 勝正 | 109 | 1’30.723 | 1 Lap | 8 | |
11 | 17 | KEIHIN NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | 塚越 広大 小暮 卓史 | 108 | 1’31.807 | 2 Laps | 42 | |
12 | 19 | WedsSport ADVAN LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 国本 雄資 山下 健太 | 108 | 1’31.125 | 2 Laps | 4 | |
13 | 24 | フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | J.P.デ・オリベイラ 高星 明誠 | 108 | 1’31.171 | 2 Laps | 10 | |
14 | 16 | MOTUL MUGEN NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | 武藤 英紀 中嶋 大祐 | 108 | 1’30.958 | 2 Laps | 2 | |
64 | Epson Modulo NSX-GT Honda NSX-GT / HR-417E | ベルトラン・バゲット 松浦 孝亮 | 45 | 1’31.680 | 65 Laps |
次戦の第3戦は5月19-20日、三重県鈴鹿市・鈴鹿サーキットにて開催される。