スーパーフォーミュラ第6戦予選、関口が今季初ポールを獲得 チャンピオンシップ争いはニックが有利な位置に

写真提供:正木寛之

2018 スーパーフォーミュラ第6戦が9月8日、岡山県・岡山国際サーキットで開幕し、公式予選が開催された。

シリーズも大詰めを迎えた第6戦では、ランキング2位山本直樹、3位の石浦宏明がQ2で敗退していく一方、トップを走るニック・キャシディがQ3に進出したが、ウェットにうまくアジャストした19号車 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が今季初ポールポジションを獲得した。

秋雨前線の影響を色濃く受けたサーキットは、午前の降雨が路面を濡らしたものの、予選は雲に覆われながらも雨粒は落ちてこないコンディション。オフィシャルからはウェット宣言が出された。

近年では2スペックタイヤの導入により、以前ほど重視されなかった予選結果だったが、翌日に控える決勝レースも降雨予報が出ているため、各陣営とも極力前のグリッドから出走したほうが有利とあり、いつも以上に予選にかける意気込みが強く現れていた。




気温21度、路面温度26度で迎えた予選Q1は、15時15分より20分間で争われる。
一面を雲に覆われたサーキットでは、路面は乾ききらず、全車ウェットタイヤでコースイン。
セッション残り16分30秒を迎えたところで、ダブルヘアピンで7号車 トム・ディルマン(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)がタイヤをロックさせてコースオフしてタイヤバリアに突っ込むトラブルを、15号車 福住仁嶺(TEAM MUGEN)が1コーナーでコースオフしてグラベルから脱出できなくなるトラブルが相次いで発生し、セッションは赤旗で中断してしまう。

ディルマンは朝のフリー走行でトップタイムを記録していた矢先だけに、自身のミスにやり場のない怒りを抱いた様子だった。

車両の撤去、タイヤバリアの修復を待ち、15時37分から残り16分05秒で残りのセッションが再開。
1号車 石浦宏明(P/MU CERUMO INGING)が1分28秒385でトップタイムをマークすると、そのタイムを更に1分27秒734に縮め、石浦が早くもタイムを出し始めてセッションをリードし始める。
このタイムを20号車平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が1分26秒895で上回ったところで石浦、平川らはピットに車を戻す。
セッション残り3分30秒頃、ポイントランキングトップの3号車 ニック・キャシディ(KONDO RACING)はタイムを出しておらずにノックアウトゾーンに転落していたが、残り2分を切ったところで2番手に浮上し、なんなくQ1を通過した。

一方で中嶋一貴が最後の最後までタイムを縮めることが叶わず、15番手でQ1落ちが確定してしまう。

朝のフリー走行からタイムを伸ばせずに苦労していた中嶋は、予選に向けてセットの見直しを図ったものの、これらが機能することはなく、あえなく予選Q1で敗退となった。

石浦、山本がまさかの…

迎えたQ2は16時05分からセッションがスタート。


キャシディが3番手に滑り込む一方で、チェッカーフラッグが振られたタイミングで8番手の石浦を、チームメイトの2号車 国本雄資(P/MU CERUMO INGING)が上回り、石浦をノックアウトゾーンに押し出してしまう。

思うようにタイムを伸ばせなかったのは16号車 山本直樹(TEAM MUGEN)も同様で、10番手にまで後退して最後のアタックに予選Q3進出を懸けたが、タイヤはベストラップを刻める状態ではなく、そのまま10番手で予選Q2敗退を喫してしまった。

シリーズランキングトップをゆくキャシディが予選Q3進出を果たした一方で、明暗が別れる結果を予選Q2が生んだ。

小林、自身初のポール獲得なるか

ポールポジションを決するQ3は、セッション残り6分で各車がコースインする。
スーパーフォーミュラに参戦してから、未だポールポジションを獲得していない18号車 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)がセッション残り1分、1分24秒466というタイムでトップに立つ。
このタイムを保ってポールを獲得したい小林だったが、セッション終了を告げるチェッカーフラッグが振られたあと、19号車 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が1分24秒446で小林可夢偉を退け、今季初のポールポジションを獲得した。

予選Q1では苦労してギリギリの通過だったが、Q2、Q3とセッションが進むにつれてマシンのセットアップを修正し、それが奏功した。
富士戦でも、路面がドライ方面に移りゆく時にはペースを上げられない予選が続いたが、今回は状況の変化を克服して獲得したポールポジションだった。

小林可夢偉は0.02秒という僅差で自身初のポールを逃したものの、明日のレースをフロントローでスタートさせる絶好の位置を獲得した。

3番手グリッドには、関口のチームメイト・平川亮が続いて、チームインパル絶好調を印象づけた。
この結果には星野監督も大変満足したようで、ドライバーを褒める一方でスタッフのマネジメントが今回の結果に繋がったと語った。

 

■その他の結果は以下の通り

2018-09-08
WEATHER:Cloudy COURSE:Wet

Po.No.DriverCar Name / EngineQ1Q2Q3
119関口 雄飛
Yuhi Sekiguchi
ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14
TOYOTA RI4A
1’28.1681’26.3301’24.446
218小林 可夢偉
Kamui Kobayashi
KCMG Elyse SF14
TOYOTA RI4A
1’27.0911’25.5481’24.466
320平川 亮
Ryo Hirakawa
ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14
TOYOTA RI4A
1’26.8951’26.1381’25.026
45野尻 智紀
Tomoki Nojiri
DOCOMO DANDELION M5S SF14
Honda HR-417E
1’27.2001’26.2201’25.095
53ニック・キャシディ
Nick Cassidy
ORIENTALBIO KONDO SF14
TOYOTA RI4A
1’27.0171’26.2301’25.153
64山下 健太
Kenta Yamashita
ORIENTALBIO KONDO SF14
TOYOTA RI4A
1’27.5111’26.5011’25.340
717塚越 広大
Koudai Tsukakoshi
REAL SF14
Honda HR-417E
1’27.0571’26.5451’25.429
82国本 雄資
Yuji Kunimoto
JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14
TOYOTA RI4A
1’27.7571’26.5621’25.589
91石浦 宏明
Hiroaki Ishiura
JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14
TOYOTA RI4A
1’27.2581’26.718
1016山本 尚貴
Naoki Yamamoto
TEAM MUGEN SF14
Honda HR-417E
1’28.5301’26.803
118大嶋 和也
Kazuya Oshima
UOMO SUNOCO SF14
TOYOTA RI4A
1’27.8051’26.811
126松下 信治
Nobuharu Matsushita
DOCOMO DANDELION M6Y SF14
Honda HR-417E
1’27.5291’27.481
1337ジェームス・ロシター
James Rossiter
VANTELIN KOWA TOM’S SF14
TOYOTA RI4A
1’27.7471’27.614
1464ナレイン・カーティケヤン
Narain Karthikeyan
TCS NAKAJIMA RACING SF14
Honda HR-417E
1’28.1984’42.033
1565伊沢 拓也
Takuya Izawa
TCS NAKAJIMA RACING SF14
Honda HR-417E
1’28.620
1636中嶋 一貴
Kazuki Nakajima
VANTELIN KOWA TOM’S SF14
TOYOTA RI4A
1’28.821
1750千代 勝正
Katsumasa Chiyo
B-Max Racing SF14
Honda HR-417E
1’29.939
以上予選通過
1815福住 仁嶺
Nirei Fukuzumi
TEAM MUGEN SF14
Honda HR-417E
1’33.377
197トム・ディルマン
Tom Dillmann
UOMO SUNOCO SF14
TOYOTA RI4A
1’57.432

車両:SF14 / タイヤ:ヨコハマ

予選通過基準タイム (107%) 1’32.978

■予選ダイジェストは以下の通り

第6戦決勝レースは明日9月9日、14時05分より68周で争われる。
今シーズン大詰めの大切なレースとあって、ニック・キャシディは上位フィニッシュを果たせるのか、はたまた山本直樹や石浦宏明が下位グリッドからの逆襲があるのか、目が離せない1戦になる。