PHOTO:正木寛之 TEXT:池田正行
2018 スーパーフォーミュラ最終戦となる「第17回 鈴鹿 JAF グランプリ」が10月27日、三重県・鈴鹿サーキットで公式予選が開催された。
今季のスーパーフォーミュラシリーズチャンピオンを決する重要な一戦を前に、貴重なポールポジションと、ボーナス1ポイントを獲得したのは、鈴鹿を得意とする16号車 TEAM MUGEN 山本尚貴だった。
朝方の雨が若干路面にウェットパッチを作っていたものの、セッションが始まる頃には日差しも差し込み、路面はドライに仕上がった。
気温21度、湿度25%と秋が深まる気候で迎えた公式予選では、残り14分で5号車 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 野尻智紀のマシンがピットロード入り口で突如出火するトラブルでセッションが赤旗に。
ほとんどの選手が、これから1度目のアタックに入ったか、入ろうとした矢先のトラブルだったが、この中で強かにもタイムを出していた男がいた。
16号車 TEAM MUGEN 山本尚貴は、セッションが中断される前にタイムを計測し、1分38秒551というタイムを記録していた。
野尻はピットに戻る際にコース上にオイルを撒いてしまい、これの除去に作業が取られてセッションは20分弱の遅延する。
残り14分05秒から再開されたQ2では、18号車 carrozzeria Team KCMG 小林可夢偉、2号車 JMS P.MU/CERUMO・INGING 国本雄資、36号車 VANTELIN TEAM TOM’S 中嶋一貴、17号車 REAL RACING 塚越広大が次々と2番手に浮上するものの、山本のタイムには及ばない。
このとき3号車 KONDO RACING ニック・キャシディは11番手と出遅れていたが、チェッカー後の計測で8番手に滑り込んだ。
路面が荒れてしまった影響は、17番手に沈んだ19号車 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 関口雄飛に及び、17番手に沈んでQ1で敗退してしまった。
13時20分から開始されたQ2では、ソフトタイヤが装着されるセッションとあって、静かなスタート。
残り1分からアタックしたマシンがタイムを刻み始めると、20号車 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 平川亮、塚越広大、中嶋一貴がタイムを記録。
一方でノックアウトゾーンには昨年のチャンピオン、1号車 JMS P.MU/CERUMO・INGING 石浦宏明の名前が11番手に刻まれた。
連続シリーズチャンピオン獲得に向けて厳しい位置からのスタートとなった。
山本が得意の鈴鹿で渾身のアタック
ポールポジションを決するQ3は、13時37分から開始された。
4号車 KONDO RACING 山下健太が残り4分30秒でコースインしたのをきっかけに、各車がコースに入るが、山本直樹、中嶋一貴、塚越広大は残り3分でコースに入る。
ギリギリまで遅らせた山本尚貴は、一発の計測で1分37秒909でトップに立つと、このタイムには誰も届かず、ポールポジションを獲得した。
逆転のシリーズチャンピオン獲得に向けて、1ポイントを上積みにも成功している。
SF14でのチャンピオン獲得がなかったホンダ勢にとっても、同車最終年度となる今季では是非にでもシリーズチャンピオンを奪還したいところだ。
2番手には、山下健太が入った。
僚友の手助けにと山本のポールを阻止すべく気を吐いたが、0,284秒差を跳ね除ける走りは出来なかった。
3番手には中嶋一貴が入り、2列めグリッドから最終戦での有終の美を狙う。
なお、ポイントランキングリーダーのニック・キャシディは4番手から、自力でチャンピオン獲得を目指して決勝レースでの巻き返しを図る。KONDO RACINGにとっても初のタイトルが目前で、チームには緊張が漂っているが、ニックのキャラクターがチームを明るく照らしているのが印象的だった。
JAF GPは、WTCRや86/BRZレースなど、多数のサポートレースを併催している。
決勝レースは10月28日(日)、14時15分から43周で争われる。
チャンピオン誕生の瞬間を見逃すな!
■予選ダイジェストムービーは以下の通り
■山本尚貴オンボード映像
■その他の結果は以下の通り
2018-10-27 WEATHER:Fine COURSE:Dry
Po. | No. | Driver | Car Name / Engine | Q1 | Q2 | Q3 |
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1 | 16 | 山本 尚貴 Naoki Yamamoto | TEAM MUGEN SF14 Honda HR-417E | 1’38.477 | 1’38.008 | 1’37.909 |
2 | 4 | 山下 健太 Kenta Yamashita | ORIENTALBIO KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 1’39.460 | 1’38.286 | 1’38.193 |
3 | 36 | 中嶋 一貴 Kazuki Nakajima | VANTELIN KOWA TOM’S SF14 TOYOTA RI4A | 1’38.826 | 1’38.095 | 1’38.300 |
4 | 3 | ニック・キャシディ Nick Cassidy | ORIENTALBIO KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 1’39.068 | 1’38.511 | 1’38.435 |
5 | 17 | 塚越 広大 Koudai Tsukakoshi | REAL SF14 Honda HR-417E | 1’38.575 | 1’38.180 | 1’38.524 |
6 | 20 | 平川 亮 Ryo Hirakawa | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 1’39.185 | 1’38.323 | 1’38.553 |
7 | 18 | 小林 可夢偉 Kamui Kobayashi | KCMG Elyse SF14 TOYOTA RI4A | 1’39.022 | 1’38.454 | 1’42.751 |
8 | 64 | ナレイン・カーティケヤン Narain Karthikeyan | TCS NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-417E | 1’38.715 | 1’38.570 | 1’58.156 |
9 | 2 | 国本 雄資 Yuji Kunimoto | JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14 TOYOTA RI4A | 1’38.941 | 1’38.597 | |
10 | 6 | 松下 信治 Nobuharu Matsushita | DOCOMO DANDELION M6Y SF14 Honda HR-417E | 1’38.853 | 1’38.680 | |
11 | 1 | 石浦 宏明 Hiroaki Ishiura | JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14 TOYOTA RI4A | 1’39.407 | 1’38.761 | |
12 | 8 | 大嶋 和也 Kazuya Oshima | UOMO SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 1’39.467 | 1’38.786 | |
13 | 15 | 福住 仁嶺 Nirei Fukuzumi | TEAM MUGEN SF14 Honda HR-417E | 1’39.082 | 1’38.888 | |
14 | 37 | ジェームス・ロシター James Rossiter | VANTELIN KOWA TOM’S SF14 TOYOTA RI4A | 1’39.479 | 1’39.220 | |
15 | 7 | トム・ディルマン Tom Dillmann | UOMO SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 1’39.492 | ||
16 | 65 | 伊沢 拓也 Takuya Izawa | TCS NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-417E | 1’39.654 | ||
17 | 19 | 関口 雄飛 Yuhi Sekiguchi | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 1’39.717 | ||
18 | 50 | 千代 勝正 Katsumasa Chiyo | B-Max Racing SF14 Honda HR-417E | 1’39.717 | ||
以上予選通過 | ||||||
19 | 5 | 野尻 智紀 Tomoki Nojiri | DOCOMO DANDELION M5S SF14 Honda HR-417E | 2’04.858 |
車両:SF14 / タイヤ:ヨコハマ
予選通過基準タイム (107%) 1’45.370
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