スーパーフォーミュラ最終戦決勝、山本尚貴が今季3勝目でホンダ勢5年ぶりシリーズチャンピオンに!

PHOTO:正木寛之 TEXT:池田正行

 

2018 スーパーフォーミュラ最終戦となる「第17回 JAF 鈴鹿グランプリ」が10月28日、三重県・鈴鹿サーキットで決勝レースが開催された。

16号車 TEAM MUGEN 山本尚貴が、ラスト15周で壮絶な追い上げを見せる3号車 KONDO RACINGの追い上げを振り切って優勝。大逆転のシリーズチャンピオンも獲得した。

快晴に恵まれたサーキットには、これから生まれる新チャンピオン誕生への期待が溢れた多数の観客が足を運んだ。

14時15分からスタートした決勝レースでは、ポールポジションの山本尚貴が、スタートから2位以下を引き離し、早くも単独走行を築き上げて鈴鹿での強さを見せつける。

17周が終わったところで2位の4号車 KONDO RACING 山下健太に7.2秒もの差を付ける独走で、山本は19周目にピットイン。
ソフトタイヤからミディアムタイヤに履き替えてコースに復帰する。

一方のキャシディはミディアムタイヤでスタートしたが、序盤で17号車 REAL RACING 塚越広大に先行されるなど、苦しいレースを迎えていた。

しかしレースに小さな動きが出てきたのがこの頃だった。
山本がミディアムタイヤに苦戦する一方で、キャシディはミディアムタイヤでファーストスティントを引っ張り、コース上で山本に31.610秒差を付けることに成功。

29周目終わりでピットに入ったキャシディは、作業をこなしてピットアウトすると、7.5秒差で前をゆく山本に次ぐ順位を獲得。
後方にはチームメイトの山下が迫っていたが、キャシディと山本の直接対決に向けて山下はアシストストする形に。
キャシディはソフトのニュータイヤを生かしてファステストラップを連発しながら山本を激しく追い上げる。

息を呑む直接対決!

徐々に山本を追い詰めるキャシディは、ファイナルラップで山本の背中を捉え、テールトゥノーズに発展。
山本は、ここまですべて残していたオーバーテイクシステムを連続で使用しながらディフェンスする。
キャシディも3つ残していたOTSを使いながらの壮絶な攻防を繰り広げた結果、山本はニックを抑えてトップでチェッカーを受け、今季3勝目で自身5年ぶり2度めとなる悲願のシリーズチャンピオンをSF14最終年で獲得した。

チーム、スタッフ、観客、ライバルへの感謝を繰り返し述べる山本は、「奥様の誕生日に1日早いけど、良いプレゼントを持ち帰られる」と語り、珍しく自身のプライベートに言及。家族への感謝も、それとなく語るのは山本らしいところだったのが印象的なチャンピオン誕生の瞬間だった。

目前に迫ったチャンピオン奪還に向けてレースを大いに盛り上げたニック・キャシディだったが、最後の最後までレースをリードする山本を抜くことは叶わず、2位に終わった。
参戦2年目での目覚ましい躍進に、来季は更に手強いドライバーになって盛り上げることは間違いないだろう。

3位には、キャシディのチームメイト、山下健太が入った。
KONDO RACING結成20年目にして初のチームタイトル獲得を最大限の形でアシストしたヤマケンは、成長著しいルーキーとして、キャシディと同様、KONDO RACINGに一年を通して貢献できた存在であった。

今季のスーパーフォーミュラはこれで終了し、来季からはSF19が投入される。
勢力図がどのように書き換えられるか、このストーブリーグも各陣営の動向から目が離せない。

■山本尚貴メッセージ

■その他の結果は以下の通り

2018-10-28 WEATHER:Fine COURSE:Dry

Po.No.DriverCar Name / EngineLapsTotal TimeDelayGapBest Time
116山本 尚貴
Naoki Yamamoto
TEAM MUGEN SF14
Honda HR-417E
431:14’40.652200.62km/h1’42.042
23ニック・キャシディ
Nick Cassidy
ORIENTALBIO KONDO SF14
TOYOTA RI4A
431:14’41.3060.6540.6541’41.668
34山下 健太
Kenta Yamashita
ORIENTALBIO KONDO SF14
TOYOTA RI4A
431:15’08.52327.87127.2171’42.526
42国本 雄資
Yuji Kunimoto
JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14
TOYOTA RI4A
431:15’08.87428.2220.3511’42.297
536中嶋 一貴
Kazuki Nakajima
VANTELIN KOWA TOM’S SF14
TOYOTA RI4A
431:15’10.75030.0981.8761’42.961
617塚越 広大
Koudai Tsukakoshi
REAL SF14
Honda HR-417E
431:15’15.63434.9824.8841’42.943
76松下 信治
Nobuharu Matsushita
DOCOMO DANDELION M6Y SF14
Honda HR-417E
431:15’16.19635.5440.5621’42.934
819関口 雄飛
Yuhi Sekiguchi
ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14
TOYOTA RI4A
431:15’17.19836.5461.0021’41.205
95野尻 智紀
Tomoki Nojiri
DOCOMO DANDELION M5S SF14
Honda HR-417E
431:15’42.0441’01.39224.8461’42.235
1050千代 勝正
Katsumasa Chiyo
B-Max Racing SF14
Honda HR-417E
431:15’42.4481’01.7960.4041’43.215
111石浦 宏明
Hiroaki Ishiura
JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14
TOYOTA RI4A
431:15’44.5171’03.8652.0691’43.832
1215福住 仁嶺
Nirei Fukuzumi
TEAM MUGEN SF14
Honda HR-417E
431:15’45.9621’05.3101.4451’42.988
1318小林 可夢偉
Kamui Kobayashi
KCMG Elyse SF14
TOYOTA RI4A
431:15’56.3801’15.72810.4181’42.989
148大嶋 和也
Kazuya Oshima
UOMO SUNOCO SF14
TOYOTA RI4A
431:15’57.3051’16.6530.9251’43.552
157トム・ディルマン
Tom Dillmann
UOMO SUNOCO SF14
TOYOTA RI4A
431:15’57.6321’16.9800.3271’43.534
1665伊沢 拓也
Takuya Izawa
TCS NAKAJIMA RACING SF14
Honda HR-417E
431:16’08.7701’28.11811.1381’44.225
1764ナレイン・カーティケヤン
Narain Karthikeyan
TCS NAKAJIMA RACING SF14
Honda HR-417E
431:16’14.6831’34.0315.9131’43.661
以上完走
1837ジェームス・ロシター
James Rossiter
VANTELIN KOWA TOM’S SF14
TOYOTA RI4A
3357’35.68410Laps10Laps1’43.086
1920平川 亮
Ryo Hirakawa
ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14
TOYOTA RI4A
3256’02.57611Laps1Lap1’42.039

車両:SF14 / タイヤ:ヨコハマ

開始時刻: 14:19’16 終了時刻: 15:33’56
レース中のベストタイムは № 19 Yuhi Sekiguchi ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 1’41.205 36/43 206.56km/h
規定周回数 38
ペナルティ
No. 64 ドライビングスルー(全日本スーパーフォーミュラ選手権最終戦特別規則書第31条(ピットレーンの速度制限))

■レースダイジェストは以下の通り

■来季のスーパーフォーミュラスケジュールは以下の通り
(10月28日時点)
Rd1 4/20-21 鈴鹿サーキット
Rd2 5/18-19 オートポリス
Rd3 6/22-23 スポーツランドSUGO
Rd4 7/13-14 富士スピードウェイ
Rd5 8/17-18 ツインリンクもてぎ
Rd6 9/28-29 岡山国際サーキット
Rd7 10/26-27 鈴鹿サーキット

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