スーパー耐久シリーズ2017第5戦が9月4日、静岡県・富士スピードウェイで決勝レースを迎えた。
夏の終わりとはいえ、季節外れに気温が下がった中で迎えた決勝レースは、ポールポジションからスタートした佐々木孝太(#8 ARN Ferrari 488 GT3)が第1コーナーをトップで通過。
その後も10時間耐久レースであることを忘れてしまうほどの僅差でレースは展開するが、トップがセカンドスティントに入って佐々木から永井宏明にドライバーチェンジする。
このスティントで永井は、予選6位で、スタートで3ポジションアップを果たした#89 HubAuto Ferrari 488 GT3や、#777 D’station Porscheに先行され、トップの座を明け渡してしまう。
しかしレース開始3時間で再び追いつき、トップ浮上を伺う展開に。
途中、1コーナーで大量に撒かれたオイル処理のためにセーフティカーが導入されたが、112周目にレースが再開されると、ARN Ferrari 488 GT3と#777 D’station Porscheが一騎打ちの様相を呈する。
レース中盤ではD’station近藤翼とARN銘苅翼によるCドライバー対決にして翼対決では特に白熱し、随所でサイドバイサイドのバトルを展開、196周目にARNがトップ奪回に成功する。
226周目のピットインでは、銘苅翼から佐々木にドライバーチェンジしたが、ピットアウトした時点でトップを守ったままでレースを支配し始める。
そして迎えた最終スティントでは、永井がドライブを担当する。他クラスの処理で100Rでオーバーシュートするミスがあったものの、即座にコースに復帰。
とはいえ同一周回で2位を走る#777 D’station Porsche 近藤翼が迫る状態ではあったが、永井は落ち着いてドライブを続け、迎えた10時間でトップチェッカーを果たした。
ARNは前戦オートポリスに続いて2連勝を果たし、シリーズ優勝の行方は最終岡山戦に向けて大きく有利な状況となった。
2位には最後までARNを苦しめた#777 D’station Porsche 星野敏/荒聖治/近藤翼が入った。
3番手チェッカーを受けたのはレース序盤でトップに立った#89 HubAuto Ferrari 488 GT3だったが、Dドライバーの最低周回義務違反が発覚し、36周を減算されて9位に降格。
この結果、#1 スリーボンド日産自動車大学校GT-R 内田優大/藤井誠暢/平峰一貴が繰り上がって3位を獲得した。
危うく今シーズンのシリーズチャンピオンをARNに明け渡すところだったが、ラッキーも味方して最終戦に一縷の望みを繋いだ。
なお、来年のS-TRC富士スピードウェイでは、国内10年ぶりの開催となる24時間耐久レースが計画されている。