2017 全日本選手権スーパーフォーミュラ第6戦が9月24日、宮城県・スポーツランドSUGOで決勝レースを迎えた。
前日までの曇りが一転、快晴で気温は26度、路面温度は41度というコンディションで迎えた決勝レースでは、ピット作業やタイヤの義務がないレースとあって、各陣営に様々なストラテジーをもたらした。
ノーピット作戦を前提に、ウォームアップランをせずにタイヤを温存したフェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)とNo.8 大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS)や、さらにはスタートグリッドにはつかずに最後尾スタートを選択した大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS)はタイヤを温存する作戦に出る。
さらに予選2番手を獲得した関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は、朝のフリープラクティスでクラッシュを喫し、午後のレースに向けて修理を果たしたが、ウォームアップランでマシンが不完全な状態であることに気づき、急遽グリッドで左フロントサスペンションのロワアームを交換する。
決勝レースに向けて不安を残すスタートを迎えた。
そして迎えた決勝レース、スタートではポールポジションのニック・キャシディ(KONDO RACING)がクラッチミートに失敗して大きく出遅れ、1コーナーの脱出時には5番手にまで後退してしまう。
対象的に関口はサスペンションの不安を払拭するかのように良いスタートを決め、真っ先に1コーナーに飛び込んでいくと、3番手スタートのピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)も関口を1コーナーで刺そうかという鋭いスタートダッシュを見せた。
20周目を迎えた頃、8位を走行するシリーズランキングトップの石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)に対してチームからペースアップの指示が飛ぶ。
6位の小林可夢偉(KCMG))と7位のフェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)がリフト&コーストをしていることを見抜いたチームが、1ピットを予定する石浦に2台のオーバーテイクを指示した。
26周目にはローゼンクヴィストを、30周目に可夢偉をそれぞれ1コーナーでオーバーテイクすると、さらに石浦はペースを上げてファステストラップを連発。更には12秒先を行く5位の伊沢とのギャップを縮めていく。
トップを行く関口は、42周目に前方に周回遅れが現れると直後にピット・インし、チームは6.7秒というスプラッシュ&ゴーで送り出すと、ノンストップ作戦を採っている小林、ローゼンクヴィストの前で関口をコースに復帰させ、実質トップを堅持した。
関口のピットを見送った2位のガスリーと3位の中嶋一貴は猛プッシュを開始。
2人は関口と同様に小林、ローゼンクヴィストを意識してペースアップする。
特にガスリーはピット・インする前の3周でオーバーテイクボタンを使ってギャップを築くと、57周目にピットイン。
7.3秒で給油を完了させてピットアウトすると、可夢偉の鼻先でコース復帰を果たす。
翌周に一貴もピットインすると、7.5秒のピットストップで給油を済ませて関口と同様に小林の前でコースに復帰。
しかし4位を行く国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)はピット作業を終えるとローゼンクヴィストの後ろでコースに復帰したが、ペースに勝る国本は66周目にローゼンクヴィストを、67周目に可夢偉を攻略し、4番手に順位を戻した。
猛プッシュをしていた石浦は、燃料がカラカラになった状態の59周目にピット作業をし、ピットアウトすると65周目には燃料をセーブして走る山本を抜き去る。
上位陣では、レース最終盤にはトップを行く関口の背後0.5秒差にまでガスリーが接近するが、関口の巧みなブロックの前にガスリーは関口を攻略することは叶わず。
結果、関口が辛うじてトップチェッカーを果たして第2戦岡山ラウンド以来の今期2勝目をもぎ取った。
2位にはガスリーが続き、2連勝に続いて3戦連続表彰台を獲得することになった。
3位には一貴が入り、チャンピオンシップを最終戦に望みを繋いだ。
なお石浦は、燃料セーブでペースを落とした6位の可夢偉を最終ラップの最終コーナーという土壇場で逆転を果たし、6位チェッカーを受けた。
この結果、シリーズランキングで石浦が33.5ポイント、ガスリーが33ポイントで続き、辛うじて石浦がランキングトップを0.5ポイント差で死守する結果となった。
【追記】決勝レースダイジェストはこちら
次戦はいよいよチャンピオンを決する最終戦、10月21-22日(土-日)に三重県・鈴鹿サーキットで2レース制にて開催される。