スーパーフォーミュラ第4戦決勝、ルーキーのアレックス・パロウがPtoWで初優勝!

全日本選手権スーパーフォーミュラ第4戦の決勝レースが7月14日、静岡県・富士スピードウェイで開催された。

雨の難しいコンディションでセーフティカー先導でスタートしたレースは、ポールポジションからスタートした参戦4戦目のルーキー、アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)がトップを守りきり、今季初勝利を掴み取って、NAKAJIMA RACINGに2010年以来9年ぶりの優勝をもたらした。

 

 

 

朝は小雨が降っていた決勝日。レース直前のウォーミングアップ走行では徐々に路面が乾いて、スリックタイヤを装着するドライバーもいたが、ダミーグリッドにマシンを進める頃には再びサーキットに小雨が降り始め、各陣営はウェットタイヤを装着する。

そして迎えた決勝レースでは、コンディションが更に悪化したこともあり、セーフティカー先導でレースはスタートした。

2周の隊列走行を経た後、セーフティカーはピットに戻ると、小雨が降り続く中でレースは火蓋を切る。

ホールショットはポールポジションからスタートしたアレックス・パロウ。
坪井、関口が続いて順位変動は起きなかった。

オープニングラップでは4番手の野尻智紀と5番手のニック・キャシディの争いが激化し、ダンロップコーナーでキャシディが野尻を捉えて4位に浮上する。

さらに19番手からスタートした可夢偉は、オープニングラップでアーテム・マルケロフ、6周目には国本雄資とハリソン・ニューエイ、そして7周目にはアウアーを次々とパスし、14位にまで一気に浮上。

平川亮がスタート手順違反によりドライブするーペナルティ、マルケロフが接触からフロントウィングを脱落させるトラブル、さらに18周目には山本尚貴がスピンするなど、可夢偉は10位にまで登り詰める。

一方、上位陣のビハインドは膠着していた。
タイヤ交換義務がなくなった決勝レースでは、どのマシンが燃料が厳しいのかがわかりにくい展開となり、ドライバーは我慢の走りを強いられた。

トップのパロウも2番手の坪井との差を作ってはいるが、付かず離れずを繰り返してレースは膠着する。

8位を走行する中嶋一貴だったが、山本のスピンアウトで前方が開けると、7位をゆく大嶋和也との差を徐々に詰めていく。
32周目のホームストレートで中嶋は大嶋に並ぶと、1コーナーでアウトから並び、大嶋をパス。
さらに福住仁嶺、可夢偉が迫り、34周目には福住がストレートでOTSを作動させながら大嶋をパスするが、1コーナーでオーバースピードしてしまい、大嶋に順位を復帰させてしまう。

逆に福住は、最終コーナーで可夢偉にインを刺されると、そのままブロックラインで加速を鈍らされ、可夢偉の先行を許してしまった。

 

 

9位にまで浮上した可夢偉は、続いて大嶋にも牙を剥く。
大嶋の挙動を見ていた小林は、36周目に最終コーナーでラインが膨らんだ大嶋のインに飛び込んで大嶋をパス。ついに8位の入賞圏内にまで順位を上げた。

一方、レースでは36周目にピットに戻ると、タイヤ交換と燃料補給を行ってコースに復帰。

燃費の計算を続ける陣営は、誰が最後まで走りきれるのかがわからない中、トップをゆくパロウは40周目を迎える頃には、2番手の坪井に12秒差をつけながら走行を継続。

3位を走行する関口雄飛は、42周目のホームストレートでOTSを作動させながら坪井を追い立てる。

しかし関口は44周目、ついにピットロードへとマシンを向けると、スプラッシュ&ゴーでピットアウト。
中嶋、可夢偉に先行を許して9番手にダウンしてしまう。

 

 

この頃、レースは残り10周にして、残り時間が14分となり、フルディスタンスではなく制限時間でチェッカーを迎えることが濃厚となった。

50周目を迎えると、ラスト4分で2番手の坪井にキャシディが襲いかかる。

トップをゆくパロウは順調に坪井とのビハインドを管理し、残り17秒で53周目に入ると、このラップがファイナルラップに。
パロウは1コーナーでオーバーシュートぎみに膨らむ危うさを見せたが、その後はファイナルラップを無事に走りきり、マシンをチェッカーまで運び、自身の初勝利をポール・トゥ・ウィンで飾った。

NAKAJIMA RACINGに2010年以来、9年ぶりの優勝をルーキーイヤーでプレゼントした。

激化した2番手争いだったが、坪井が巧みにキャシディの追い上げを阻み、2番手チェッカーを受けた。
ルーキーが1-2位でレースを終える結果となった。

■その他の結果は以下の通り
※編集中

■レースダイジェストは以下の通り

 

 

次戦第5戦は8月17-18日、舞台を栃木県・ツインリンクもてぎで開催される。
ポイントランキングトップを守る山本に、2番手のキャシディがひたひたと迫る。さらに今回の優勝で選手権ランク3位に急浮上したパロウの追い上げも見ものとなり、今後の行方が気になる1戦になる。