スーパーフォーミュラ開幕戦決勝、SC4回の荒れたサバイバルレースをニックが制する!

スーパーフォーミュラ開幕戦の決勝レースが4月21日、三重県・鈴鹿サーキットで開催され、セーフティカーが4回も入る波乱のレースは、37号車 VANTELIN TEAM TOM’S ニック・キャシディが誰よりもいち早くピット・インすると、リスタートの連続となった混乱の中でも着実に順位を守り抜き、完走12台となったサバイバルレースで優勝を果たした。

気温25度、路面温度35度という、まるで初夏のような快晴に恵まれた決勝日。

スタートではソフトでスタートした65号車 TCS NAKAJIMA RACING 牧野任祐と64号車 TCS NAKAJIMA RACING アレックス・パロウだったが、パロウはスタート直後に1号車 DOCOMO TEAM DANDELION 山本尚貴に抜かれる。
しかし2周めには順位を回復し、2位をキープ。一方ミディアムタイヤでスタートした山本は3周目、スタートで一気に順位を上げてきたソフトタイヤの19号車 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 関口雄飛にもパスされ、4位に沈む。

2位からトップ牧野を猛追していたパロウだったが、スタート手順違反によってドライブするーペナルティが課されてしまう。
これはフォーメーションラップ開始の青信号がついたあと、車止めを除去し忘れたことに気づいたスタッフが取り外したことによるペナルティとあり、パロウには厳しい裁定となった。

一方、レースではソフトタイヤ装着組が有利に働くとあり、燃料面でのピットウィンドウは7周目に開くことから、ミディアムタイヤでスタートした37号車 VANTELIN TEAM TOM’S ニック・キャシディは7周目、誰よりもいち早くソフトタイヤに交換し、コースに復帰する。これに続いて8号車 UOMO SUNOCO TEAM LEMANS 大嶋和也もピットインすると、ソフトタイヤに換装してコースに戻る。

8周目、130Rで右リアタイヤのパンクに見舞われた20号車 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 平川亮がマシンを止めると、その後方から17号車 REAL RACING トリスタン・シャルパンティエが単独スピンを喫してコースオフ。
このマシンの撤去にセーフティカーが導入されると、各陣営はピットインしてタイヤ交換義務を消化する。

18号車 carrozzeria Team KCMG 小林可夢偉と4号車 KONDO RACING 国本雄資、パロウがステイアウトした。

ピット作業を素早くこなし、コースに復帰した関口雄飛だったが、マシンの加速が鈍く、翌周にはふたたびピットに戻ると、マシンを降りてしまった。
ギアボックストラブルによって1,2速を失い、その後5速も失ったことから、レースにならないと判断した。

130Rでのマシン回収が終了した12周目にレースは再開。
ニック・キャシディはリスタートで牧野を捉えることに成功し、4位に浮上する。

迎えた15周目、36号車 VANTELIN TEAM TOM’S 中嶋一貴がデグナーひとつめのコーナーでコースオフすると、その前方には51号車 B-Max Racing with motopark ハリソン・ニューウェイもマシンを止めていた。
ダンロップ立ち上がりでオーバーテイクシステムを使って中嶋を追い立てていたニューエイだったが、デグナー進入で強引に中嶋のインを刺して接触、行き場をなくした中嶋がコースオフしてグラベルに捕まり、ニューエイもマシンをデグナー出口に止めることとなった。
予選でもスプーンで絡んだ2台が、決勝レースでも交錯した結果となり、2台ともリタイヤに追い込まれた。

このクラッシュの処理により、この日2度めのセーフティカーが導入されることになった。

先頭をゆく可夢偉だったが、4位以下に大きなアドバンテージを作ろうとプッシュするたびにSCに阻まれる展開となり、集中力を持続させることに難儀しているようだ。

18周目にレースはリスタートすると、パロウは1コーナーで小林に仕掛けるが、その後失速する。左フロントタイヤが原因不明のトラブルで緩み、走行を続けることが困難になったため、マシンをダンロップコーナーイン側に停止させてパロウはレースを終える。
しかしまだ続くレースにあって、このマシンの撤去のために19周目、3度めのセーフティカーが導入される事態に。
マシンの撤去を終え、迎えた22周目にレースは再開。
5位にまで浮上した3号車 KONDO RACIN 山下健太は、4位の牧野を攻略にかかる。
27周まで続いたバトルだったが、スプーン立ち上がりで突然左リアに発生したトラブルによって牧野は挙動を乱し、タイヤバリアに真っ直ぐに突っ込んでしまう。
予選を席巻した若者2人は、決勝レースではツキに見放されてリタイヤしてしまうこととなった。

このクラッシュの影響により、この日4度めのセーフティカーが導入された。
29周目、KCMGのピットにタイヤなどが展開されて可夢偉のピットインに備えたが、可夢偉はピットに入らず、ほどなくしてタイヤは片付けられた。可夢偉の勝機がなくなった瞬間と言える。

31周目にレースが再開されると、最終ラップ1周前に可夢偉はピットイン。変わってキャシディがトップに踊り出て、そのままチェッカーを受け、今季緒戦で勝利を掴んだ。

31周目からのリスタート後、キャシディからじわじわ遅れを取っていった山本は、3位の山下に追い上げられる。オーバーテイクシステムを作動させての攻防が続いたが、山本は山下を押さえ込み、2位表彰台を獲得した。
山下は最後のオーバーテイクこそ叶わなかったが、3位表彰台を獲得した。

終わってみれば昨年最終戦と同じ顔ぶれがポディウムを占めた結果となった。

■決勝レースダイジェストは以下の通り

■その他の順位は以下の通り
※編集中

次戦は5月18-19日、大分県・オートポリス戦。
SF19初走行となるオートポリスで、どんな戦いが繰り広げられるのか、さらにNAKAJIMA RACINGの雪辱なるか、見どころ満載の第2戦になりそうだ。