全日本選手権スーパーフォーミュラ第5戦「ツインリンクもてぎ2&4レース」が8月18日、栃木県・ツインリンクもてぎで決勝レースが開催された。
今シーズン、まだポイント獲得がなかった予選2番手スタートの平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が、レース中盤にアレックス・パロウをオーバーテイクすると、そのままトップチェッカーを受け、参戦5年目で自身初優勝を飾った。
前日までの予報では、予選日よりも涼しくなると予想された決勝レースだったが、スタートの14時15分には、気温37度、路面温度49度まで上昇した酷暑の中で決勝レースはフォーメーションラップを迎える。
ところが予選8番手の山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)のマシンがストールを喫し、ピットスタートに。
シリーズの行方が気になる山本にとって大きな痛手となってしまった。
フォーメーションラップを終え、各車は正規グリッドについたが、さらにハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing with motopark)、パトリシオ・オワード(TEAM MUGEN)が、相次いでエンジンストール。
この結果、赤旗が提示されてスタートがディレイする事態に。
14時20分、仕切り直しのフォーメーションラップがスタートし、レースは52週から1周減算の51周に。
赤型の原因を作ったニューエイトオワードは隊列の後方にマシンを止めた。
今回は無事にシグナルオールレッドからブラック・アウトし、いよいよ決勝レースがスタートする。
1コーナーを先頭で飛び込んだのは、前戦富士戦の覇者でポールシッターのアレックス・パロウ。2~4番手スタートの平川、福住、アウアーがそれぞれ順位を守って続くが、この先頭集団に7番手スタートの小林可夢偉がロケットスタートで5番手につけ、1コーナーではアウアーにも仕掛けるが、続く2コーナーではアウアーが順位を守る。
しかしオーバーテイクシステムを作動させて可夢偉はアウアーに並ぶと、3コーナーアウトから可夢偉はアウアーをかわし、4位に浮上する。
ピットではこの頃から動きがあり、オープニングラップが終わるとピットに飛び込むマシンが現れる。
そんななか、4周目を走ったところで12番絵スタートだったニック・キャシディはピットに飛び込むと、ソフトタイヤに交換してピットアウト。前方が開けたコースをハイペースで周回する。
トップが7周目に入ると、キャシディの動きに野尻と石浦が反応し、ピットに入る。
石浦はピットで野尻の前に出ることに成功するが、コースに復帰すると、キャシディの後方に復帰。キャシディはアンダーカットに成功した。
10周目に入ると、坪井翔がピット・インすると、ソフトタイヤからソフトタイヤにタイヤを交換。2ストップ作戦を採用し、キャシディの前にでコースに復帰するが、レースペースが良いキャシディは坪井をパス。
順位変動の多い後方集団に対して、トップ集団はレースが膠着。
平川はパロウに1~2秒差で続くが、次第にデグラデーショに悩まされたパロウに平川は接近していき、23周目の最終コーナーでパロウがワイドなラインを通ってオーバーランすると、平川はその隙を突き、一気に抜き去り、パロウとの差を大きくつけることになる。
33周目には可夢偉が福住に仕掛け、3コーナーで3位に浮上すると、2番手を走行するパロウにも仕掛けるが、コーナー進入でロックさせた可夢偉はタイヤを痛め、3位を走行することになる。
トップに立った平川は、38周目にピットに入ると、給油作業とミディアムタイヤへの交換を実施してコースに戻ると、キャシディに20秒もの大差をつけてコースに復帰する。
39周目にはパロウと福住もピット作業を行い、キャシディの前でコースに復帰。可夢偉は42周まで走行するとピットに入る。これまでピット作業で泣いてきた可夢偉だが、今回は12秒というタイムで給油、タイヤ交換を実施。後に可夢偉は「ピットアウトする時に拍手しようかと思った」という素晴らし作業を見せて後押しする。
この結果、可夢偉はパロウの前でコースに復帰し、2番手に浮上した。
トップをゆく平川は、後方の接近を許さずにマシンを走らせると、参戦5年目にして悲願の初優勝を飾った。
2番手には可夢偉、3番手にはレース序盤からハイペースをキープしたキャシディが続き、見事に表彰台の一角を獲得。9位フィニッシュでノーポイントに終わった山本と明雲を分け、シリーズランキングでも1ポイント差でトップに躍り出た。
■レースダイジェストは以下の通り
次戦は、9月28日-29日土-(日)、岡山県・岡山国際サーキットで第6戦が開催される。シリーズも佳境に入り、チャンピオン争いが熾烈な1戦となる。